水彩画-321 『冬景色を描く(8)2021』

 2月中旬に2日間に渡って断続的な降雪があった。気温もかなり冷え込み、日陰では数日間雪が残っていた。そんな状況下で参加したスケッチ会では、やはり “雪原” を描こうということで、前回に続いて野辺山高原に出かけた。

 今回は、ここで描いた2点を掲載する。

画題 『冬曇りの野辺山(2)a』 & 『冬曇りの野辺山(2)b』 野辺山高原、サイズ:A4

 野辺山高原の広大な農地の只中に大きな 「開拓記念碑」 が立つ場所がある。
 だだっ広い畑、カラマツの林、八ヶ岳 という定番の景色が広がるわけだが、特徴的な絵要素に乏しく縦の変化も少ないため、絵としてまとめるのには結構苦労する眺めである。
 
 そうは言っても、直近で降った雪が畑一面につもり、ねらいの “雪原” はしっかりと存在している。
一方で、八ヶ岳連峰は中腹から上が冬独特の低い雲に覆われており、雄姿全体を捉えることは出来ない。

 そんな中で、1つ目のスケッチは凍った畑の入り口に上がった位置から “上空をほとんど入れずに、手前の雪原を主体にした画角” で描いてみた。

B 冬曇りの野辺山(2)a.JPG
       <同場所の写真>B DSC08190.JPG
 2作目は、上記の位置から20mほど斜め手前に移動した場所から描いてみた。この絵では “かなりズームアウトした広い画角にし、上空、斜めの道路、土手や草、奥の農地の畔” などバランスを考えながら入れてみた。

B 冬曇りの野辺山(2)b.JPG
       <同場所の写真>B DSC08194.JPG
 
※総 括
「八ヶ岳に被さる雲の燃え立つような表情を出そうとした」 スケッチ1に対して、スケッチ2では 「空間の広さ、荒涼とした大雪原の雰囲気 を表現しようとした」 次第。

 しかし、両作品に共通して最も留意した点は 「中景の横に走る “カラマツ林” の描写」 である。絵を見る人からすれば、余り目線が行かない部分だと思うが、 “色合い・濃淡・タッチ” の3要素のマッチング成否によって、この絵の出来栄えが決まるように感じている。 

水彩画-320 『冬景色を描く(7)2021』

 2月は寒暖差の大きい時季。
 
 4月のように暖かくなったと思ったら、2,3日後には真冬に逆もどりといったことの繰り返し。さらに風の強い日が多く、買い物、ウォーキング、庭仕事など屋外へ出るのは “こうした不安定な天気と相談しながら” 判断するこにとなる。

 今回は、1月末の降雪時に写真を撮っておいた雪景色を元に描いた1点を掲載する。


画題 『雪上がりの神戸(ごうど)』 富士見町 御射山神戸、サイズ:A4

 「御射山神戸(みさやま ごうど)」という集落は歴史が古く、旧甲州街道(国道20号線)沿いの “宿場町” として発展したとのこと。入笠山山系の傾斜地に位置し、国道から西側に入る枝道を登っていくと、集落を抜けた小高い場所に農業用の大きな “ため池” がある。この周辺からは八ヶ岳の全景を見渡せるので、以前にも美術会の写生会を何度か行ったことがある。

 ため池を囲む広い土手が公園風になっており、暖かい季節であれば家族連れでピクニックでも出来そうな場所である。スケッチにも適してはいるが、足元から近景エリアを絵としてまとめるには、雪景色の季節の方が描きやすいと思っている。

雪上がりの神戸.JPG
       <同場所の写真>0 DSC08140 (3).JPG
 留意点としては、以下の通り。

・中景の横に走る暗い森の面積を抑えるため、通常よりも画角を大きくとる
・その分、広くなる空と手前の積雪については、適当に表現をつける
・八ヶ岳連峰中腹に漂う “霧” を描写することで、八ヶ岳の雄大さを引き立てる
・中景の集落(家並み)は何となくそれと分かる程度に、屋根を主体としてザックリと描く


【新型コロナ事情雑感(17)】 & 【水彩画-319 『冬景色を描く(6)』】

【新型コロナ事情雑感(17)】

 長引くコロナ禍も、気づけばもうほぼ一年。
 日常の生活圏から以遠への移動は皆無状態となった。

 “不安、ガッカリ、残念、疑心” といった “マイナス面” ばかり考えていたのでは、ますます気持ちが落ち込んでしまう。

「時には “プラス面” も意識することが必要なのでは?...」

ということで、コロナ禍でも何か良かったことがあったか? 徒然にふと考えてみた。

① 風邪をひかなくなった ⇒ 恐らく、マスクと手指の消毒、三密回避 などの影響
② 病院に行く回数が減り、医療費も少なくなった
③ 車の走行距離が伸びず、ガソリン代もオイル交換費用もグッと節約
④ 元々義理で参加していたような行事が無くなって、気が楽になった
⑤ 趣味が充実した ⇒ 巣ごもり生活の時間的余裕
⑥ 感染症に対する知識(耳学問)が増えた

 いろいろ上げてはみたが、直ぐに行き詰ってしまう。やはり マイナス の項目に比べれば プラス は比較にならないほど限定的ということか?
 でも まア、 少しは気が楽になった感じもする....。

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【水彩画-319 『冬景色を描く(6)』】

画題 『冬曇りの野辺山』 野辺山高原、 サイズ:A4


 2月最初のスケッチ会は、前回同様に野辺山高原に出かけたが、八ヶ岳降ろしが強烈に吹き付け、外では会話の声も聞き取れないほどの強風だった。

 前回と違っていたのは、畑エリアにたっぷりと “積雪があった” 点だ。
 一方、八ヶ岳連峰は上部全体が暗い雲に覆われており、裾野エリアのみが辛うじて見ることが出来るという状態だった。

 広大な 「JA八ヶ岳牧場」 の付近で車道の脇に車を寄せ、助手席の窓越しに見た風景を、ほぼ見た通りの感じで描いてみた。

B 冬曇りの野辺山.JPG
       <同場所の写真>B DSC08152 (2).JPG

留意した点は、以下の通り。

・重く垂れこめた空は、暗めに彩色
・雲に見え隠れする山の上部の様子を、水の下塗りと “にじみ技法” で描写
・中景の林は濃い目に彩色し、樹間から見え隠れする裾野の積雪を描写
・牧場施設の屋根には、若干の積雪を追加
・手前の広大な積雪の畑は “白さ” と “遠近感” を強調
 ⇒ 紙の地色(白)を出来るだけ残す & 枯草を点在させる

【新型コロナ事情雑感(16)】&【水彩画-318 『冬景色を描く(5)2021』】

【新型コロナ事情雑感(16)】

 1月後半から全国的に新規感染者数がはっきりと減少傾向となり、取り敢えず胸を撫でおろしている。
 とは言え、医療現場や保健所業務は逼迫状況が続き、重症者数や死亡者数も高止まりしている現状では、当面は気を抜くことが出来ない。10都府県対象の緊急事態宣言の1ヵ月間延長もやむを得ないことと思う。

 世の中の話題の中心が 『ワクチン』 にシフトしてきている。いくら気をつけても “罹る時は罹る” という実態から、感染対策のフェーズを一段階上げるには確かに 『ワクチン』 しかなさそうである。

 国が推奨したとしても “ワクチンを打つか打たないか? は最終的には個人の選択” になるわけだが、私自身は紛れもない高齢者なので、迷いなく「接種する」つもりだ。
 ワクチンによる副反応リスクについての報道も耳にするが、従来のインフルエンザ予防ワクチンに比べて突出して高いわけではないということ。また接種の先行する国の事例を聞いても、人によって副反応症状の重さがかなり異なるが結局殆どが回復すること などを踏まえれば、それほど恐れることも無いように思う。

 一方、ワクチン接種による期待効果はどうか?

 それを推し量るベースとして、日本全国の感染者数と死亡者数をネットで調べたところ、以下の通りだった(2021年2月2日時点)。

■ 累積感染者数:約40万人、 累積死亡者数:約6,000人 ⇒ 致死率:1.5%

 これを年代別にみると、以下の通り(数字は 感染者数、死亡者数、致死率 の順)
■ 20代: 8.4万人、 2人、0.002%
■ 30代: 5.6万人、 12人、 0.02%
■ 40代: 5.3万人、 43人、 0.08%
■ 50代: 4.9万人、 134人、 0.27%
■ 60代: 3.1万人、 409人、 1.3%
■ 70代: 2.7万人、1165人、 4.3%

■ 80代: 2.6万人、3020人、11.4%

  “古希” を迎える年代の私が万一新型コロナに感染した場合、死に至る可能性が 約2~4%ほど と推定できる。これは他人事とは言えない高い数値だと思っている。

 ワクチンの有効性は90%程度と言われている。効力というのは、 感染予防なのか? 発症率低減なのか? 重症化低減なのか? 詳しいことは良く分からないが、何れにしても死に至るリスクが1~2桁以上改善されるのであれば、接種を戸惑う余地は無いと私は思っている。

 ところで、国民の大半がワクチンを接種した後、短期間で “元通りの生活” に戻れるのかどうか? ワクチンによって感染・発症リスクは低くなるのは間違いないだろうが、市中からコロナウィルスが消えて無くなるわけではない。一部の専門家が予想するように、コロナ前の生活(マスク無し/消毒なし、会合/会食、飲み会、イベント、旅行...など神経を使わずに出来る)に戻るのには、恐らくはまだ年単位の時間が必要ではないかと思っている。

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【水彩画-318 『冬景色を描く(5)2021』】


 今冬は北陸地方や北日本で大雪となっているが、関東地方は今のところ小雪傾向である。この様子では、絵の題材としての雪景色についてはチャンスが少なそうである。そんな個人的の懸念を持つ中で、1月末10cmほどのまとまった積雪があった際、自宅周辺の里エリアを車で一回りして、西山エリアから見た八ヶ岳山麓の雪景色をカメラ取材しておいた。

 今回は、そんな題材の中からスケッチ風に描いた一点を掲載する。


画題 『雪上がりの若宮』 富士見町 若宮地区、サイズ:A4

 私が日課としているウォーキングコースの一つに “若宮(わかみや)コース” というのがある。我が家から2kmほど離れている古い集落で、入笠山の裾野末端の緩い傾斜地に位置している。
 この集落の小高い所に昔は田んぼだった跡地を利用して、ブルーベリーを栽培している農園がある。ここの道をウォーキングするときにはいつも、雄大な八ヶ岳山麓の景色を眺めるのが楽しみの一つになっている。
但し、この眺めを絵にするということになると “やや、雄大過ぎるという” という感じがして、これまで敢えて描いたことが無かった。今回は 「雪景色なら何とかなるかな?」 という感覚があったので、余り気負わずに描いてみることにした。

B 雪上がりの若宮.JPG
       <同場所の写真>B DSC08129 (2).JPG

留意した点は、主に以下の通り。

・画角(切り取り)を丁度良い範囲に選定(結構悩んだ末、通常より広めに)
・真っ白な八ヶ岳上部を際立たせるための、山際の空の彩色方法
・中景に広がる裾野エリアの描写(奥行感とコントラストの強調)
・手前のブルーベリ―畑の描写(赤っぽく枯れた木枝と積雪の対比)


水彩画-317 『冬景色を描く(4)2021』 & 『余談:サラリーマン川柳』

【水彩画-317 『冬景色を描く(4)2021】


 1月2度目のスケッチ会はたまたま “大寒” の日だった。天気はこの地方の典型である “冬晴れ” に恵まれた。

 少し前、里山に降った雪も大半が溶けてしまっていたが、八ヶ岳の白い峯はクリアに見えていた。
今回は、冬の定番である野辺山高原に出かけて描いたスケッチを一点掲載する。

画題 『大寒の野辺山』 野辺山高原、 サイズ:A4

 野辺山の国道141号線を東進し、JR最高地点を過ぎてしばらく行くと 「びっくり市」 という大型農産物直売所がある。この施設の周辺一帯には大規模な農場が広がり、そこから持ち込まれる地元野菜などが割安で販売されるため夏場には大変な賑わいを見せる場所だが、冬場はクローズ状態で人影もなく閑散としている。そんな訳で、広い駐車場の一角に車を停めてスケッチをするには、打って付けの状況である。

 想像していた通り、八ヶ岳上部の銀嶺はクッキリと臨むことが出来たが、残念ながら裾野や野菜畑エリアには全く雪が無かった。しかし、過去に何度もこの付近で雪景色を描いている我々としては、そうした記憶を蘇らせながら “積雪を脚色して描く” という行為はそう難しいことでは無い。

B 大寒の野辺山.JPG
       <同場所の写真>B DSC08105.JPG
 
留意点としては、
・手前の野菜畑を積雪状態にする
・右側手前に冬枯れの裸木を入れる
・中景の横一線に走る林を、濃い目にしっかり彩色する
・八ヶ岳の裾野エリアに点在する積雪エリアを白く残す


 今年は北陸エリアが災害級の大雪に見舞われたが、これまでのところ関東一帯には余り積雪が無い。また、年末は寒波が厳しかったが新年になってからは気温も緩みがちで、降雪が有っても短期間に溶けてしまうことが多い。これから2月に入って適当な積雪があるかどうか? タイミングの問題もあるが、出来るだけ “雪景色” を描いてみたいと思っている。

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【余談:サラリーマン川柳】

第一生命恒例のサラリーマン川柳2020年の入選作が先日発表された。

もうとっくにサラリーマンを卒業した私ではあるが、この川柳はなかなか面白くて毎年楽しみにしている。

 今年の特徴は、何と言ってもコロナ禍を反映したお父さん族の辛い日常を読んだ句が多いようである。入選100作品の中で “私が気に入ったもの” を紹介してみたい。

・リモートワークのお父さん、実は行き場が無い....
 『会社へは 来るなと上司 行けと妻』

・マスク常用のお父さん、子供たちにけなされて...
 『お父さん マスクも会話も よくずれる』

・そんな中でも子育て世代には、ほっこりとプラス面も...
 『はたら苦が はた楽になる この笑顔』

 皆さんのお気に入りはどうでしょうか? (第一生命の川柳webで簡単に見られます)

水彩画-316 『冬景色を描く(3)2021』


 今年最初のスケッチ会にやっと参加した。年末年始を挟んで、自分としては5週間という長いブランクだった。

 朝夕の冷え込みは結構きついけれども、2日ほど前に里エリアに降った雪はほぼ溶けてしまい、タイミングとしては “雪景色” を探すのは容易では無いという状況だった。

 それでも、山に残る雪を求めて久々に八ヶ岳横断道沿いの 「まきば公園」 に行ってみようということになった。


画題 『積雪の八ヶ岳』 北杜市大泉町、 サイズ:A4

 真冬の 「まきば公園」 は、さすがに訪れる人もまばらで閑散としていた。
 上空は青空が広がりまずまずの天気ではあったが、八ヶ岳上部には怪しい雲がかかっていた。
 標高1400m以上あるレストハウスの駐車場は、八ヶ岳降ろしの強風が吹き付け、外に居ると耳が痛く帽子も飛ばされそうな状況だった。

 東側の牧場の丘全体を描くか? 北側の八ヶ岳を見上げるように描くか? 何れにしても車内から描くしかなく、申し分ないアングルというのは現実として難しい状況の中で、結局自分は八ヶ岳を選択した。

 過去にもここで冬景色を描いたことが有ったが、これといった特徴の無い題材だけに、納得できるスケッチには成らなかった記憶がある。そうは言っても “この数年の自身の進歩を確かめる” という気持ちを湧き立てて描くことにした。

積雪の八ヶ岳.JPG
       <同場所の写真>DSC08091 (3).JPG
B DSC08094.JPG
留意した点は、以下の通り。

・人工物(レストハウス、トイレ小屋、電灯 など)を全て省き、自然の風景に徹する
・トイレ小屋のある場所(左側)は、白樺林で置き換える
・右側半分の積雪斜面の “白” を強調する(実際よりもたっぷりとした積雪にする)
・中央に斜めに走る林を暗くして、雪の白とのコントラストを強調する
・冬枯れの針葉樹の描き分けで、重なり合う雪の峰々を表現する


 帰宅後に山肌の彩色や白樺林など、少々手を入れて完成させた。
「数年前に比べ、幾らかでも進歩を感じたい」 という自己課題については、何とか手応えを得ることが出来たと感じている。

水彩画-315 『冬景色を描く(2)2021』

 今週12日に富士見町一帯に今年初の積雪があった。約10cmほどだったが、気温が低いためガリガリ状態で、夕方の道路の運転は結構慎重にならざるを得なかった。
 翌13日の朝は晴れ上がって、ベランダからはきれいな雪景色! 居間からこの景色を眺めながらゆっくり朝食を摂る。

B IMG_8756.JPGB IMG_8753.JPG
毎年・毎季繰り返されることではあるが、自然がもたらす四季の移り変わりに触れることは、不思議と飽きないものだ。

さて、今回も過去の題材を元に描いた冬景色を一点掲載する。


画題 『冬霧の集落2021』 北杜市白州町大武川、 サイズ:A4

 我家から国道20号線を車で10分ほど南に走ったところに 「机」 という信号がある。ここを過ぎて数百mほどの区間からは、釜無川の対岸にある集落全体を一望することが出来る。川の向こう岸は山梨県で 「大武川」 地区と呼ばれている。
 集落は古民家風の建物が多く、背景に迫る山の新緑や紅葉が大変美しいところなので、これまでにも個人的に何度もスケッチや写真取材に出かけている。

 今回は、数年前に撮っておいた冬景色の写真を元に描いてみた。

B 冬霧の集落2021.JPG
       <同場所の写真>B DSC06181.JPG
 
 この日は、冬期独特の “灰色の霧に包まれた寒々した雰囲気” だった。
 地籍は山梨県とは言え、管轄の白州町中心部からは遠く離れ、川を挟んでの長野県富士見町境地区との互助によって、生活が成り立っているというのが実情のようだ。
 そういう背景を知っている作者として、 「孤立・閑散とした冬の集落の様」 を表現してみたつもりである。

水彩画-314 『冬景色を描く(1)2021』

 年を重ねてくると、冬の寒さの中での “遠出” や “スケッチ作業” が段々辛くなるもの。
 ましてや最近は、風邪や発熱などのリスクとなり得る機会は極力避けるべきという考えもあり、無理をしないで定例スケッチ会には月2回程度の参加に絞ることにした。

 ということで、年末からしばらくスケッチしていなかったわけだが、アトリエ内にて感覚を鈍らせない程度に筆を持つように心がけている。

 今回は、2021年の “描き初め” となった作品を一点掲載する。


画題 『霧氷の朝』 富士見町 木ノ間、 サイズ:F6

 2年前の冬(2月初旬)の朝のこと、我家周辺で “霧氷現象” が現れた。
 白い霧に包まれたその朝、雨は降っていなかったので日課の朝ウォーキングにでかけたところ、辺りの林の樹枝が一面 “白く花の咲いたように” なっていてビックリした

 夜のうちに雨が降り樹枝が濡れた後、明け方になって急激に冷え込んだため氷結したと思われる。標高が高く早朝の冷え込みが厳しいエリアでは良くある現象で、数年前に野辺山高原で見た記憶があるが、標高1000m程度の富士見町では珍しいことだ。

 空は深い霧に覆われ、太陽もぼんやりとした光の環となり、とても大きく見える。
「おぼろ太陽」 という言葉があるのかどうか知らないが、「おぼろ月」と同じような見え方だった。

 樹枝の霧氷と合わせて大変幻想的な風景だったので、時々足を停めてスマホで何枚か写真を撮っておいた。長くは続かない現象だろうと予想していたが、案の定1時間弱のウォーキングの帰り道では、気温上昇と共に霧氷の大半は消えてしまっていた。ほんの一瞬の出来事だった。

この度、その写真をベースに水彩画にしてみた。

B 霧氷の朝.JPG

<同場所の写真>B IMG_7401 (2).JPGB IMG_7387 (2).JPG

工夫した点は以下の通り

・中景の林の霧氷の描写
F6という大きさの絵で、ちりめん模様のような霧氷を筆で描くのは不可能に近い。そこで、桜花の描写なので時々使う方法 「濡れた絵の具の上に食塩をばら撒く画法」 を試みた
・実際は全体がグレー一色の単調な風景だったが、田畑の畔や土手草などの彩色でメリハリをつける
・「おぼろ太陽の空」 は、全面にたっぷりと水を塗ってからボカシを効かせる


 スケッチの回数が減少する冬季は、今回のように以前の題材・取材を元に描くことが増えそうである。



謹賀新年 ご挨拶 & 水彩画-313 『富士黎明2021』

 皆様、新年 明けまして おめでとうございます

 今年はいったいどんな年になるのでしょうか? 月並みですが60年に一度の ”干支” について調べてみました。 

 今年は 『辛丑(かのとうし)』 にあたるとのこと。

・干が 「辛」で「草木が枯れ、新しくなろうとしている状態」をさす
・支が 「丑」で「種から芽が出ようとする状態」をさす

という意味があると分かる。

 この 「枯れる」 「新しくなろうとしている」 「芽を出そうとしている」 に着目して、自分としては
「コロナ禍で辛い世の中ではあるけれど、この修羅場をじっと耐え抜いて、新たな生き方を見出していく」
といった年になる(していく)と解釈したいところだ。

 ところで私は、いよいよ今年の秋に “古希” を迎えることになる。10年前リタイアした際に、自身で “花の60代” と定義付けたことを覚えている。振り返ってみれば、その時自分で思い描いていたイメージ、ほぼその通りのことをやってこれたように思う。とても充実感のある60代だったが、最後に来てこのコロナ禍はさすがに予想もしていなかった。
 しかし上記の解釈の通り、新たな10年間に向けて 「雨降って地固まる」 という試練のスタートを神様が与えてくれたのではないかと考えた方が良いのかも知れない。そんなことを思いめぐらしながら、自分にとって70代の暮らしはどんな定義付けになるのか? 秋までしばらく考えてみたい。
 

 さて、今年最初の水彩画アップは、正月に相応しく “霊峰富士” を題材にした。

画題 『富士黎明2021』 山梨県北杜市、サイズ:P10号

B 富士黎明2021 年賀状用.JPG

 画題の通りモチーフは “夜明けの富士”。
北杜市の標高の高いエリアから遠望する富士山のイメージ。

 これまで、北杜市や富士見町周辺から見た富士の絵は何度となく描いて来たが、今回は2年ぶりくらいで年賀状に載せることを意識して描いてみた。<今年の年賀状>
B DSC08076 (2)_LI.jpg
 構図は極めてシンプル。近景は殆ど描かずに中~遠景に特化して、雲海の間に連なる峰々を眼下に従えたような霊峰富士。未明から明け方にかけて薄赤に染まる雄姿の描写を試みた。

 最近、色んな場面で 「明けない夜はない」 という言葉が良く使われているように思うが、正にそんな気持ちを伝えることが出来れば....という想いで描いた次第。

アトリエ随窓-23 『2020 年末雑感』

 カレンダーを見たら、曜日の関係でこれが今年最後のブログアップになると気がついた。

 世の中はコロナ禍一色の年。

 過去に経験の無いほどの異常な一年で、私にとっても二度と無いかもしれないということで、自分なりに振り返りをして、一応記録に残しておくことにしたい。

【1月】
※コロナ感染はまだ他人事のような感じだった。
・正月に在京の息子家族が帰省した折、皆で諏訪の温泉ホテルに泊まって、会食、初詣、山岳ドライブなど 楽しんだ。
・スケッチ会の仲間数人と、近くの温泉に泊まって新年会実施。
【2月】
※武漢からのコロナウィルスが国内に持ち込まれたと話題になり始めた。
・そんな中ギリギリのタイミングで、孫の1歳の誕生日を息子の自宅へ出向いて祝うことができた。
【3月】
・日に日に感染拡大が深刻となり、兼ねてから計画していた遠地旅行をキャンセルせざるを得なかった。
※ロックダウン、オーバーシュート、クラスター など “コロナ禍新語” が日常語になる。
・美術会の総会を中止することになり、役員で対応に追われた。
【4月】
※「緊急事態宣言」発令される。
・週一回の定例スケッチ会を当面自粛の判断。美術会の上半期行事の大半を中止決定。
・他にも毎週、毎月定例で行っていたことの殆どが 中止・自粛 となる。
・巣ごもり生活の気分転換として「フォークギター」を引っ張り出し、何十年ぶりかで弾き語り練習を再開する。
【5月】
・スケッチ会は自粛継続。その代わり、新緑の風景を一人で精力的にスケッチする。
・自宅の庭や周辺の林の中で “山菜採り”、また “芝刈り、草刈り、砂利敷き” など汗を掻く作業にいそしむ。
【6月】
・「上野の森美術館 応募展」の締め切りがコロナ禍で一ヵ月延長になり、自作が何とか間に合ったため応募する(⇒結果:上位入選)。
・スケッチ会など定例の活動を再開する。
【7月】
※コロナに加えて、強雨が続く天候異常。1ヵ月間、晴れ間が殆ど出なかった。
・涼しくて良いが、ますます外出が億劫になる。
・一時体調を崩し、腹痛が続く。あまり食べられず、一週間で2kg痩せる。
【8月】
※やっと雨が上がったが急に暑くなり、真夏日が続く。これも異常。
・体調が戻って、受けた「人間ドッグ」は何とか例年と変わらず “まずまずの結果”。
・大学時代の友人に誘われて、初めて「オンライン飲み会」に参加する。ナカナカ楽しいものだと分かる。
【9月】
※感染拡大がやや収まってくる。
・フォークギターを新調する。弾き語り練習のピッチが上がる。
・日帰り温泉とか外食ランチとか、様子を見ながら出かけるようになる。
・庭の一角に孫の遊び場として 『砂場』 を作ることにした。一応図面を書いて、材料の見積もりなどしっかり段取りつけてから製作を進める。構想から完成まで一ヵ月ほどかかった。しかし、肝心の孫がいつ来られるかは見通し立たず。
【10月】
・「諏訪ガラスの里美術館」への応募作品製作に注力する。
・庭の栗拾いがピークを迎え、日々収穫して知人・友人に配る。
【11月】
※雨ばかり降っていた10月に比べ、一気に晴天の日が多くなる。
・8ケ月ぶりに息子家族が帰省し、孫と顔合わせをする。ビデオ電話もしていたので、何とかジジ・ババの顔を覚えていてくれてホッとする。
・「第7回 諏訪を描く展」で思いもかけず最高位賞を受賞。
【12月】
※上旬は暖かく生活が楽だったが、中旬から一気に真冬の寒さとなる。
・年末となり、自治会の会合(飲食を伴わない打ち合わせ)が増える。
・例年以上に静かな年越しとなるが、それなりに淡々と準備をする。

ざっと、こんな感じだったかな?

 元来、リタイア夫婦の隠とん・田舎暮らしの身。“コロナ禍・自粛“ と言っても、考えてみれば従前とそんなに変わる日常でも無かった。もうしばらくはこんな状況が続くのだろうが、あまり気にし過ぎないように、来年も引き続きマイペースで過ごしていければと思っている。
 
皆様、良いお年をお迎えください!

水彩画-312 『初冬のスケッチ(2)2020』

 今週、急に寒波がやって来た。これまで暖かかっただけに、気温の落差に体がナカナカ追いついていかない。

 12月第2週のスケッチ会は、まだ結構暖かく快晴に恵まれ、里エリアであれば十分外で描けそうな日和だった。
 今回は、北杜市大泉町の 「金生遺跡」 に出かけて描いた一点を掲載する。


画題 『初冬の里山(2)』 北杜市大泉町 谷戸、 サイズ:A4

 谷戸城址公園の南側に位置する 「金生遺跡」 は、季節を問わず我々が良く訪れる “定番スポット” の一つである。何故定番かというと、遠景として八ヶ岳、南アルプスの両方が選択でき、近~中景には民家、林、田畑などが程よく点在し ”典型的な里山風景” が広がっているからである。

 快晴のこの日は、八ヶ岳と南アルプスの両方ともクリアに見ることが出来たが、このところ南アルプスを描くことが多かったので、今回私は八ヶ岳方向を選んだ。

初冬の里山2.JPG
       <同場所の写真>DSC08057.JPG

 留意ポイントとして、

・構図上の工夫:
通常であれば北側の八ヶ岳を中央に置き、田畑も正面から見て畔がほぼ水平に走るような構図が多かった。こうしたスケッチは、季節を問わず過去何度も描いている。安定感はあるが、手前のエリアが単調になり易いという欠点がある。それで今日は、山も田畑も “やや斜め” から見る構図に変えてみた。

・主題は中景の林:
 初冬とは言え、まだ晩秋の面影が部分的に残っている “中景の林を主題” に据えることにした。針葉樹の深い緑と広葉樹の茶系の色バランスを取るように彩色した。また、ところどころランダムに白抜きすることで、林エリアが重く成り過ぎないように配慮した。この林との対比として、八ヶ岳は控えめに淡彩調で仕上げた。

・手前の土手の描写:
 最前列の田の土手を近景の副題として入れてみた。横一線では無く、右側手前から左奥へグッと伸びていく感じにすることで、構図上の遠近感を強調するようにした。この土手と中景の民家群との間にある何条かの畔部は、ほとんど彩色しないことで、近景・中景の分離効果を持たせるようにした。

水彩画-311 『初冬のスケッチ(1)2020』

 気がつけば、すでに師走。

 振り返れば、今年の紅葉は色付きも良く見頃の期間も長く続き、我々の秋のスケッチは結構楽しめた。が今、辺りは既に葉っぱの落ちた裸木が目立ち、田畑も赤茶っぽく枯れたような色合いに変わっている。

 我々のスケッチ会もいよいよ “厳しい冬” に入ることになる。

 今回は、典型的な “初冬の里山風景” を題材にして描いたスケッチ一点を掲載する。


画題 『初冬の里山』 北杜市高根町村山、 サイズ:A4

 12月としては割合暖かかったこの日、高根町の総合グラウンド付近の田園エリアに出かけた。
 八ヶ岳上空は雲がかかって良く見えなかったので、比較的クリアな南アルプス方向を描こうということになった。
 従前から定番で良く描いていた場所から、200~300mほど東側に離れた道路脇に場所決めをした。同じようなエリアでも、腰を据えるポイントを僅かに移動しただけで、また違った感じのスケッチが出来るということを “実感” した次第。

初冬の里山.JPG
       <同場所の写真>DSC08043 (2).JPG

 
留意した点は、

・横方向の画角をどの辺で切り取るか? ⇒ 左の鳳凰三山を入れて、右の甲斐駒ヶ岳はカットする
・近景として、左手前の 「土手・草藪・立ち木」 を入れる
・南アルプスの中腹に漂う “雲の描写” をポイントにする
・田んぼの畔の連なり表現によって、遠近感を強調する
・中景の林は初冬らしく暗めの彩色とし、若干の紅葉を混在させる



 今季はやや暖冬傾向とは言え、これから週ごとに冬らしさが増してくるはず。今冬は雪が多いとの予測もあるようだが、果たしてどうなることか? 
 高齢者の活動なので、天気と相談しながら余り無理をせずやっていきたいと思っている。

水彩画-310 『第7回諏訪を描く展/入賞』

 諏訪湖畔の 「諏訪ガラスの里美術館」 にて、2014年から毎年開催されている 「諏訪を描く展」。
 コロナ禍の今年は一時実施が危惧されていましたが、主催者・関係者の大変なご努力により、感染対策を徹底する中で無事開催されました(11月20日 ~ 24日)。

B IMG_8699.JPGB IMG_8698.JPG

 第一回から欠かさず出展させていただいている私としては、開催される以上何とか作品を仕上げて応募させてもらおうと思い立った次第です。
 
 例年であれば10日間ほどの開催期間が今年は5日間に短縮されました。また、入賞者対象の表彰式・立食会なども中止となりましたが、昨今の感染事情からすればやむを得ないことと思います。

 この美術展では 「一般見学者による人気投票」 が最大の特徴ですが、開催期間の短い今年は5日間フルに投票が受付されました。そんな中で、このたび何と拙作が 「第一位」 という結果をいただくことが出来ました。
 我ながら、このような身に余る評価をいただいて只々恐縮するばかりです。

 いつも応援して下さっている皆様に対しまして、この場を借りて御礼を申し上げます。
 
 
以下に今回の応募作を掲載いたします。

画題 『ノスタルジア(時代を超えて)』 諏訪市 片倉館前、 サイズ:P10号

B ノスタルジア(P10+).JPG

 【本作品への作者としての想い】

 100年近い歴史を持つ洋風大浴場施設で、国の重要文化財にも指定されている諏訪湖畔の名所 『片倉館』。

 入り口東側にあるイチョウ並木のアプローチ。

 例年11月には、樹枝も地面も見事な黄金色一色に埋め尽くされます。晩秋の午後の光が逆光となり、訪れる人々の姿をシルエット状に浮かび上がらせてくれます。その幻想的な情景は、昭和・平成・令和の時代を超え、また人の幾世代かを超えて繰り返し親しまれてきたはずです。

 私たちはこうした長い歴史の重みを感じ取り、子や孫の代さらにその先まで永く受け継いでいくべきものとの想いを込めて描いた作品です。



【新型コロナ事情雑感(15)】 & 【水彩画-309 『紅葉のスケッチ(6)2020』】

【新型コロナ事情雑感(15)】

 11月中旬以降、大都市エリアを中心とした感染拡大が顕著になっている。政府関係でギリギリまで明言を避けていた「第3派」に入っているという認識は、もはや誰も異論を唱えない状況だ。

 この一週間、「現状(感染拡大状況)認識」 及び 「緊急対策」 について、政府・自治体・専門家間の3巴の検討・調整が連日行われているが、今一つ決め手に欠けると感じるのは、私だけでは無いだろう。

 Go To トラベルの継続是非、Go To イートの制限の是非、飲食店の時短・営業自粛要請の是非、など個別の施策にまつわる問題点は枚挙にいとまがない。だが、その一つ一つの矛盾点を国会やマスコミ報道で取り上げて  “責任論” に終始してしまうのは、これもまた “実の無い空論に時間を浪費しているだけ“ と感じている。
 
 そもそも 「トラベル」 も 「イート」 も国の経済対策(業界支援)の一つであって、国民に無条件に「旅行をしてください」「飲食に出かけてください」と奨励しているわけではない。国が “安全宣言” を出したわけでも無かったはずなのだが、事実上世の中でそういう風に “受け止められてしまった感” がある。
 
 最近、担当大臣が 「利用するかしないかは国民の判断」 と発言して厳しく批判を浴びているけれども、冷静に考えれば当初から “利用の是非は国民の選択” ということだったように思う。スタートする時の政府の説明不足によって、世の中にあたかも “お墨付き” のような間違った理解を与えてしまったのではなかろうか?

 もう一つ残念なのは、今回のように感染が急拡大した時の 「ブレーキ」 が予め制度設計されてなかったということだ。イザというときにモタツキなく手順に入れないのでは、やはり大きな問題だと思う。

 この先さらに悪化して、緊急事態宣言が再び出されるかどうかは分からないが、良くも悪くも傾向がはっきりするまでの期間は混とんとした一進一退の状況が続き、結局また “日本国民の優秀な民度” に期待して、手を替え品を替えの 「自粛要請」 が繰り返されるような予感がする。

 年末年始に向けて、会食の是非・帰省や旅行の是非・イベント開催/参加の是非 など、それぞれの行動計画については、やはり医療逼迫リスクを踏まえた 「国民一人一人の冷静な判断」 に委ねられることになりそうである。
 

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【水彩画-309 『紅葉のスケッチ(6)2020』】

 里山の紅葉も最終盤に入った11月後半。
 スケッチ会の題材としては、もはや標高低めの里へ下りていくしかないということで、高根町の総合グラウンドにある銀杏並木を描くことになった。


画題 『里の銀杏並木』 北杜市高根町 村山、 サイズ:A4

 高根総合グラウンド敷地内でスケッチするのは、私としては初めてである。

 現地へ行ってみると、銀杏の “黄葉” も既に終わりを迎えており、一部は裸枝が目立つ状況ではあった。まあ、それでも何とか絵心で補って  “いい感じ” に脚色するのはいつものことである。

 先ず、画紙を縦置きにするか横置きにするかしばし迷った。
 銀杏の木が主題であるのには違いないが、青い空の広がりや落ち葉で黄色く染まった地面もそれなりに描写するためには、横置きの方がよいだろうと考えた。

B 里の銀杏並木b.JPG
       <同場所の写真>B DSC08026.JPG

 留意点としては、

・特に手前の銀杏の枝葉の合間が透けて、ところどころ青空が見えるようにする
・黄葉はイエロー系主体なのは当然だが、暗い部分は赤茶系で彩色する(グレー系を使うと汚くなり易い)
・銀杏の幹はかなり暗く濃い色にして、黄葉が被さって見え隠れする部分をしっかり描写する(桜を描く時と同様の手法)
・遠景の山影や林はラフにボカシした感じにする
・右手のフェンスは、スケッチとしては有っても無くても可と思うが今回は省く



水彩画-308 『紅葉のスケッチ(5)2020』

 11月中旬になると、周囲はすでに “晩秋” の様相となってくる。
 広葉樹は盛んに落葉し、いくばくかの茶色の葉が辛うじて枝に残っている。カラマツの黄色い葉も次第に赤茶けた色に変わり、これもまた裸枝になる直前の姿を見せている。

 そんな中ではあるがいつものスケッチ会は、大泉と清里の間に架かる 「八ヶ岳高原大橋」 付近で、紅葉の終盤風景をスケッチした。


画題 『紅葉の八ヶ岳高原大橋』 北杜市大泉町、 サイズ:A4

 昨年の秋にも、この橋の駐車場付近から八ヶ岳を臨むアングルで紅葉を描いた記憶がある。今回は久々に 「八ヶ岳高原大橋(通称:黄色い橋)」 方向を見て描くことになった。
 この構図では過去2、3回描いたことがあるが、大概うまく描けたという記憶は無い。雄大な橋の構造もさることながら、周囲の地味な色合いの紅葉の林はなかなか描写が難しい。派手過ぎても地味過ぎても、また細か過ぎても荒過ぎてもしっくりこない。バランスという点でとても難しい題材だと感じている。

B 紅葉の八ヶ岳大橋a.JPG
       <同場所の写真>B DSC08009 (2).JPG

 仕上がり具合という点では、自己評価は70点位か?

・全体の構図と紅葉の感じは、まずまずの出来
・込み入った橋梁の構造は、もう少しザックリとした描写の方が良かったか?
・下部手前に被さる “もやもやした樹々” を省略したが、もう少し描き込んだ方が良かったかも知れない



【追:後書き】

 この “黄色い橋” は、八ヶ岳南麓の川俣川渓谷にかかる長大な橋(全長490m)である。この上を車で走り抜ける場合、左右に広がる恐ろしいほどに深い谷と森の眺めに圧倒される。出来た当初(1998年)は有料だったようだが、15年ほど前から一般道扱いとなっている。

 最近テレビのCM(自動車)でこの橋の景色が取り上げられ、全国的に知られるようになったようだ。我々地元の住民からすれば、いつも見慣れた当たり前の場所・風景だが、都会や他県から訪ねて来た人からすれば、その眺めの雄大さに圧倒され感動することだろう。うまく描けない口実として、つい 「もう、描き飽きた」 と愚痴をこぼしてしまいがちだが、冷静に考えれば何とも贅沢な話である。



水彩画-307 『紅葉のスケッチ(4)2020』

 11月最初のスケッチ会は、都合によりお休みとなった。

 一方、富士見高原エリアでは枯れ葉が風に吹かれて雪のように舞い落ち、裸木が目立つようになってきた。紅葉も大半が深い茶色になり、いよいよフィナーレを迎えている。
 
 今回は、少し前に個人的に身近なところで描いたスケッチを2点掲載する。


[スケッチ1] 画題 『紅葉の白樺林』 原村 中新田、 サイズ:A4

 諏訪南インターから八ヶ岳方面へ真っ直ぐ登っていく道路(通称:ズームライン)を進むと 「深山(みやま)」 という信号に出る。その辺りから少し左手(北側)には美しし白樺林が一直線状に連なっているのが見える(地元の人々が、かつて景観向上・防風を目的に植林したらしい)。

 蓼科方面でのゴルフや買い物に出かける際に良くここを通るのだが、四季を通じて “美しい風景” だと思っていた。特に紅葉のこの時期は、色彩が豊かで目を引かれる。

 但し、この景色を絵に描こうと思うと 少し工夫が必要である。
 理由は、白樺林が横方向に一直線上に伸びており、上下方向の絵要素に乏しいことである。そこで、白樺林のすぐ横を走る農道付近に立って、林が手前から奥まで斜めに伸びていく様子と、その奥に見える八ヶ岳を入れる構図を取ることにした。

B 紅葉の白樺林.JPG
       <同場所の写真>B IMG_8609.JPG
留意した点は、

・左手に大きめの白樺の木を見上げるように入れる
・その先に、白樺以外の木が混在することで彩色を豊かにする
・遠景の八ヶ岳は控えめに、またその手前の林は暗くして距離感を出す
・手前中央に田んぼの用水路を入れることで、遠近感を強調する



[スケッチ2] 画題 『紅葉の旧街道』 富士見町 原の茶屋、 サイズ:A4

 私のウォーキングコースの一つに 「原の茶屋」 という地域がある。ここは旧甲州街道に沿う古い集落であり、その名の通りかつては “間宿” という位置づけであったようだ。ここの中心的な存在の大きな “茶屋” だった建物が今も面影を残している。
 その辺りからカゴメの工場へ抜ける間に、道に両側から覆いかぶさるような立派な林がある。いかにも、いにしえの街道のイメージを醸し出してくれる風景なので、このたび絵に描いてみた。

B 紅葉の旧街道.JPG
       <同場所の写真>B IMG_8657.JPG
 留意した点は、

・手前で “追分” のように二股に分かれる道路によって、構図に変化をつける
・主題である中央のこんもりとした林と、右側の暗い林の描写方法を変える
・左側に見える里山(大平区)は遠景として、控えめに彩色する
・上空の青天と低空に照れ込める白い雲の対比

 ※紅葉の描写の難しさを改めて感じさせられた一枚だった。

【新型コロナ事情雑感(14)】& 【水彩画-306 『紅葉のスケッチ(3)2020』】

【新型コロナ事情雑感(14)】

 新規感染者数は都会を中心に相変わらずの高止まりが続いている。冬が近づくに連れて、寒さが厳しい北日本では特に増加傾向(クラスターも多い)のようだ。

 そんな中で 「Go To キャンペーン」 は 「トラベル」「イート」「イベント」 と次々に制度がスタートし何かと話題を集めている。経済対策としてのプラス面だけとらえれば、政府のおっしゃる通りということなのだが、田舎住まいの高齢者としては “何か釈然としない” というのが正直な気持ちである。

その理由は、

☆ 早い者勝ち・争奪戦 ⇒ うまく立ち回った人が得をする
☆ 詐欺行為多発 ⇒ 悪知恵を働かせた人が不正に利益を得る
☆ 利用出来る/出来ない “環境” に格差がある(不公平感)
 ⇒ 例えば
  ・そもそも旅行に行けない環境の人には何も還元が無い(仕事、高齢、病気、介護、家計 etc)
  ・旅行三昧を出来る人が “青天井” で利益を得ることができる
  ・料金の高いホテルに手厚い補助が出る(経済的に余裕のない人ほど、補助が少ない)
  ・プレミアム食事券を使って食べに行くお店が近所に無い(大型チェーン店などが主体で、田舎の個人経営店などは殆ど対象外)
  ・オンラインを使いこなせない人は、機会損失という不利益を被る

 ちょっと考えただけで、首をかしげることが沢山出てくる。

で、私としては、以下のような “施策” が一番良いと思っている。
(テレビの報道番組でどなたかが仰っていたように思うが....)

・国民全員(全世帯)に “定額のクーポン” を配る(期限付き)
・クーポンは トラベル/イート/イベント/買い物 など政府が認定した対象には全て共通で使える
・配布・利用に関する細かなルールは地方行政に任せる(地域の実情に沿った内容にする)
・自分自身が利用しない・出来ない人は、クーポンを家族などに譲渡出来る


 重要なのは “国民皆が公平に恩恵を受けられる” ということである。今回のGo To キャンペーンは、緊急経済対策という面が強く出過ぎて “業界を助ける” という点に前のめりとなってしまった感がある。高額な税金を投入する上で一番大事な “国民目線の公平感・機会均等” という重要な点が抜け落ちてしまっているような気がして、大変残念である。

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【水彩画-306 『紅葉のスケッチ(3)2020』】


 八ヶ岳周辺の紅葉はピークを迎えている。
 標高の高いところは、10月末には既に終わりに近づいているが、これがラストチャンスという気持ちで、敢えて高原に出向いて描いたスケッチ2点を掲載する。


[スケッチ1] 画題 『黄葉の並木道』 南牧村 海ノ口自然郷、 サイズ:A4

 海ノ口自然郷内にある 「八ヶ岳高原ロッジ」 周辺は、このスケッチ会の定番スポットの一つである。特に、メイン通り沿いの “カラマツ並木” は昨年の春にも新緑の時期に描きに来た。しかし、秋の紅葉(黄葉)シーズンに来たのは随分と久しぶりである。
 ここのカラマツ林は何百メートルも一直線に連なっており、道路の両側から立派な枝が被さるように伸びていて、他に類を見ない程の素晴らしい眺めである。
 
 この日は天気も良く、特に陽の当たる北側の枝葉は見事に “黄金色” に輝いていた。
 先生の意向で、今日は “縦置き” の紙面で描こうということになり、カラマツの並木を見上げるような構図を意識して描いてみた。

黄葉の並木道a.JPG
       <同場所の写真>DSC07922 (2).JPG

留意した点として
・思い切ったX型構図により遠近感を強調する
・左側の明るい枝葉と右側の暗い枝葉の対比を意識した彩色をする
・林立するカラマツの樹間を通して、その奥の状態が見え隠れする様子を描写する
・全体として、光と影を意識した描写をする



[スケッチ2] 画題 『紅葉の高原ロッジ』 南牧村 海ノ口自然郷、 サイズ:A4

 せっかく八ヶ岳高原ロッジまで来たので、たまにはロッジの建物の周辺も描いてみたいと思った。それで、スケッチのついでに個人的にロッジ前を散策し、良さそうな角度から写真を何枚か撮って来た。
 それを元に描いたのがこの2枚目。

秋色の高原ロッジ.JPG
       <同場所の写真>DSC07916 (2).JPG
 
 紅葉・黄葉自体はビックリするほどの鮮やかさは無かったが、落ち着いた感じの黄色を主体とした色合いの林に囲まれていた。ちょうど秋の行楽シーズン真っ盛りということで、都会から宿泊客が何組か訪れていた。

留意した点として
・周囲の林は黄色主体だが、部分的に赤系を柔らかく入れて変化をつける
・左サイドの白樺林をやや詳細に描写するが、全体はにじませてぼんやりとさせる
・手前に行楽客や車(外車)などを入れて、リゾート地のロッジの雰囲気を出す





水彩画-305 『紅葉のスケッチ(2)2020』

 10月も後半になると紅葉もピークシーズンに入った。
 但し、紅葉が見ごろを迎えるということは “寒さ” も本格化するということでもある。屋外でのスケッチ作業は、寒さとの戦いになるのを覚悟しなければならない。高齢者の我々としては、一足早く “冬支度” をして出かけるようになる。

 今週は、野辺山の湖畔で描いた紅葉のスケッチ2点を掲載する。


<スケッチ1> 画題 『秋色の湖畔(1)』 南牧村 八ヶ岳ふれあい公園、 サイズ:A4

 野辺山高原の観光施設 「滝沢牧場」 を過ぎてしばらく東へ走ったところに 「八ヶ岳ふれあい公園」 がある。ここには、ため池があり周囲が親水公園として整備されている。
標高が高い(約1300m)ため、平地よりも半月ほど早く紅葉が進む場所で、私の記録によると同じ仲間で描きに来たのが5年前の丁度同じ時期だった。久々の訪問ということになる。

 この日はどんよりとした曇り空ではあったが、行ってみると紅葉が丁度見頃(描き頃)で、自ずと描く意欲が湧いて来た。

 池の右サイド(東側)の林の色付きが良いので、湖畔のやや西側に回り込んだ辺りから斜めに臨んだアングルで描くことになった。

B 秋色の湖水1a.JPG
       <同場所の写真>B DSC07840.JPG

 留意点としては、
・画面右から左に向けて、林と岸が徐々に遠ざかっていく構図とする
・林の彩色は “緑がかった黄色” で下塗りし、後から様々な色の変化をつける
・個別の木の細かな描写は避け、陰影/濃淡を中心とした彩色とする
・水面の左側半分は “風で白く波立っている様” を表して、変化をつける

 

<スケッチ2> 画題 『秋色の湖畔(2)』 南牧村 八ヶ岳ふれあい公園、 サイズ:A4

 もう一枚は、池の東岸から西岸方向を見るアングルで一枚描いてみた(写真を撮って来たので、後日自宅で習作として描いたもの)。
 
 本来であれば、奥に八ヶ岳の上部が綺麗に眺望できるのだが、この日は曇天で部分的に薄っすらと見えるだけ。紅葉の色付きは東側に比べるとやや地味ではあるが、むしろ絵としてまとめ易いレベルだと感じた。

B 秋色の湖水2.JPG
       <同場所の写真>B DSC07835.JPG

留意点としては、
・垂れこめた空の感じを出すため、やや暗めの灰色で彩色する(水面も)
・紅葉林の描き方は上記 作品(1) と同様
・奥の八ヶ岳ははっきりとは見えなかったが、最近あった初冠雪の白い部分を控えめに表現する
・手前には、湖畔に生える 「葦・ススキ」 などを適当に入れて遠近感を出す


 標高の高い一帯での紅葉はそろそろ終わりとなり、今後は1000m付近あるいはそれ以下のエリアに移って行くことになる。初冬を迎えるまでの短い期間ではあるが、何よりも天候に恵まれることを期待している。

水彩画-304 『紅葉のスケッチ2020(1)』

 このところ、朝夕ぐっと冷え込むようになった。時には11月~12月の気温と言われるほど寒い日もある。そんな10月中旬、八ヶ岳山麓の紅葉もかなり進み、標高の高いところでは見ごろを迎えている。”がっかり紅葉” だった昨年に比べると、今年は結構きれいに思う。

 今回は、富士見美術会で毎年秋に行われている 「秋の写生会」 で描いた、紅葉(黄葉)のスケッチを2点掲載する。


画題 『自然園の黄葉(1)』 原村 自然文化園、 サイズ:A4

 富士見町に隣接する原村。日本で初めてペンション村が開かれたということで、一時代前に全国的に有名になった村だ。近年はバブル期のような賑わいは見られなくなっているが、コロナ禍の今年は別荘客を中心に長期滞在、あるいは定住・移住している人が多いように感じる。

 個人としても美術会としても、秋には何度か描いたことのある 「まるやち湖」 の周辺。紅葉は初期のタイミングではあるけれど、例によって余り色彩がきつくなるよりは、返って絵にし易い頃合いとも言える。
 最初の一枚は、定番の池の西側に座って 「池・林・八ヶ岳」 の3要素をセットにして描いてみた。

B 自然園の黄葉2.JPG
       <同場所の写真>B DSC07687.JPG
 
 画題に挙げたように、紅葉ではなく “黄葉” というイメージで彩色した。
 色彩の統一感を出すため最初に林の部分全体に “イエローオーク” を薄く下塗りし、その後色んな色を重ねていく描き方をした。
 
 この絵の主題は、林の黄葉と水面への映し込みだが、近景の点景として手前に “葦” を適当に入れてみた。また、八ヶ岳は林に隠れて最上部しか見えないので、遠景の点景としてザックリと描写した。


画題 『自然園の黄葉(2)』 原村 自然文化園、 サイズ:A4

 次のスケッチは、池の東(反対)側に広がる広大な林間公園の中に入って描いた一枚。
 芝地の中央に繁る大きな広葉樹が、見事に黄色く染まっている。傾き始めた太陽が逆光となり、葉の間から光を射し込んでいる。地面には枝葉の影が幻想的な模様を作っている。たまには、こういう題材も面白そうだと感じて描いてみた。

B 自然園の黄葉.JPG
       <同場所の写真>B 0 DSC07713.JPG
 
 順光なら綺麗な黄色の葉が、逆光のため暗くグレーっぽく見えてしまう。しかし、絵にする場合、黄色の葉をある程度描写しないと、秋らしさが失われてしまう。従って、光が射し込んでくる周辺の葉は暗めにし、その他の葉は黄色味を残すように工夫した。バランスが大変難しい。
 チャレンジしてみたけれども、やはり手ごわい題材だった。

水彩画-303 『清秋の候のスケッチ(2)』 & 【余談:栗の収穫】

 一年前の10月中旬、甲信地方は台風19号の暴風雨被害が甚大だった。

 今年も同じ時期に台風14号が接近し嫌な記憶が頭をよぎったが、今回は進路が大きくズレてくれたおかげで “直撃” は無くなり一安心。
 しかし強い雨が降り続いていた3日間は外出する気も起きず、定例のスケッチ会は当然 “中止” となった

 今回は台風の前、晴れの日をねらって一人で出かけて描いたスケッチを掲載する。


画題 『刈り入れ前の田園(2)』 北杜市白州町、 サイズ:A4

 北杜市白州町の田園エリアには、春にも新緑風景を描きに出かけた。
 釜無川河川敷に広がる田園が、この時期一面 “黄金色” に染まる様子は圧巻である。
 さらに、ここの魅力は何と言っても背景に連なる 『七里岩』 である。岩肌の林はまだ紅葉には早いが、よく見ると黄色や茶色に変わっている部分があり、秋の気配を感じさせてくれる。

 今回は、国道から一段上がった位置から七里岩方面を眺望するアングルで描いてみた。

刈入れを待つ田園2.JPG
       <同場所の写真>DSC07626.JPG

留意した点は、

・実際には結構刈り入れが進んでいたが、絵としては大半を黄色くした
・目の前に何本も立っている電柱は、煩わしいので全て削除した
・主役の稲穂田を際立たせるため、奥の七里岩の茂みは薄めの彩色にした
・階段状の土手割とカーブする生活道路を描き入れることで、構図に変化をつける


 この日は、立ち位置・アングルを変えて何枚も写真取材をしてきた。これから晩秋~冬にかけて題材に手詰まりになる可能性もある。そんな時には、今回のような取材ネタを元に記憶を被せながら描くことも、気分転換に丁度良いと思っている。

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【余談: 栗の収穫】

 我家の庭には、栗の木が2本ある。樹齢何十年か良く分からないが、例年この時期、結構大きな実が成って地面に落下してくる(虫食いが多いが...)。

B DSC07775.JPGB DSC07773 (2).JPG
 今年は夏場の天候不順で、余り期待していなかったけれども、結果としてかなり豊作だった。9月末から落下しはじめ、以降毎日収穫をしてきた。特に、台風接近など風が強かった日の直後は大量に収穫できた。そして、いよいよ今週末でほぼ終了見込み。
 累計ではかなりの収穫量となったが、自家だけではとても消費しきれない。友人・知人・ご近所などで、もらっていただける家にはお配りした。
 ※ 栗は、後処理が大変なので 貰ってうれしいかどうかは人により様々....という意味で、微妙な農産物でもある。

 何れにしても、需給の量バランスは結局うまく辻褄があって、一安心している。
 コロナ禍ではあるけれど、我が家の ”秋の定例行事” が一つ完了です。