水彩画-247 『盛夏のスケッチ2019(5)/吐竜の滝』&『デッキの夏休み』

 8月第2週は暑い日が続いた。
少しでも涼しい所で描きたいということで、夏の定番の一つである 「吐竜の滝」 へ出かけた。

 八ケ岳大橋から林道を下ったところにある駐車場に車を停め、鬱蒼とした森の道を数分歩いて行くと川俣川渓流に出る。その先の滝から流れて来るミストの影響で、この辺りからいつも急に涼しくなる。

 家族連れ、若いグループなどの避暑客が沢山訪れてはいるが、キャンプ場を併設しているような他の渓流スポットに比べると、BBQなどするスペースもないため平均滞在時間は少ない感じだ。


画題 『吐竜の滝2019』 北杜市大泉町、 サイズ:A4

 「吐竜の滝」 については水量がさほどではないが、女性的で優麗な景観と渓流の水の美しさが特徴的だ。
私自身は滝の直ぐ手前から捉えて描くのが久々なので、スケッチの機運はちょっと盛り上がった。

B 吐竜の滝2019.JPG
       <同場所の写真>B DSC06017.JPG
画面全体を同じような調子で描写すると返って煩わしくなるので、描き込むのは滝の周辺のみに絞ることにした。

 私のこれまでの経験上、“滝や渓流の水” は “難度” が最も高い題材の一つ だと思っている。
基本的には 水の白い部分を塗り残しながら周囲の岩の暗い部分や緑の葉などを描く ことになる。最後に、滝の細い流れや飛沫など細かな部分を修正液や不透明白色絵具などを使って補うようにしている。

数年前のスケッチでは全く絵に成らなかった題材だが 「短時間でどうまとめるか?」 という点で、少しは要領をつかめてきたように感じている。

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【余談:デッキで夏休み】

 最近近くの大工さんにお願いして、茶の間の庭側に 「ウッドデッキ」 を拡張してもらった。
 これまでは洗濯物や布団を干す程度の狭いデッキでしかなかったのだが、テーブルや椅子を置けるスペースに広げて屋根もつけてもらった。着工してから断続的工事で約6週間を要したが、8月上旬に何とか完成した。
B IMG_7881.JPGB IMG_7882.JPGB IMG_7883R.JPG
 たまたま、お盆に息子夫婦&家族ご一行(数名)が来たので、早速ここでBBQを実施。さすがに陽の指す日中は暑いけれども、夕方はぐっと涼しくなって丁度良い感じで楽しめた。B IMG_7889R.jpg
夏は屋外で食事会をやると、気分爽快だということを実感した夏休みでした。

水彩画-246 『盛夏のスケッチ2019(4)/牧場通りのレストラン』

 8月に入って最初のスケッチ会は、梅雨明け直後のタイミングだった。ところが、午後の通り雨に降られて場所探しにしばし時間を要した。
 最終的に落ち着いたのは、清里/丘の公園近くの 「牧場通り」。この道路沿いには、乗馬できるポニー牧場を始め、レストラン、オーベルジュ、クラフトショップなど、観光客向け施設が多く集まっていて夏場は結構賑やかな場所である。


画題 『牧場通りのレストラン』 北杜市清里、 サイズ:A4

 形の良いカフェ・レストランが2軒隣接している場所に見当をつける。

※ 後から調べたところ、左側が 「アルチザン パレ ド オール」 というチョコレート菓子主体のカフェ、右側が 「コート・ドゥ・ヴェール」 という肉料理主体のレストラン のようだ。

 避暑地のピークシーズンとあってか、ひっきりなしに県外車とお客が出入りしていた。
建物をどちらかに絞るという選択もあるだろうが、避暑地のお店の雰囲気を出すためには、左側のカフェの大半を入れ右側のレストランの入り口付近を半分ほど入れる構図が良かろうということになった。
B 牧場通りのレストランa.JPG
       <同場所の写真>B DSC05959.JPG
スケッチに際しての留意点
① 入り組んだ構造の左側カフェのデッサン
② リゾートらしさを演出する点景(看板類、車、避暑客)
③ 背景の暗い林の描き方

 描いて見て特に難しかったのは ③の “林の彩色” である。あくまで “背景” なので、詳細表現や目立ち過ぎる色使いなどを避けた方が良いのは前提である。しかし、濃密に茂っているイメージや逆光で暗くなっている感じを何となく醸し出す必要があるわけだ。結果的に、始めに全体を水筆でしっかりウェットにしてから、数種類の色を垂らして滲ませるという ウェット・イン・ウェット で描いて見た。“主題である建物などとの主張を崩さない程度” という加減が大事だと思った。


【余談:お盆のルーティーン】

 昨年のお盆も暑かったが、今年も梅雨明け以降の暑さは結構厳しい。まあ “お盆” は、涼しいとか寒いとかよりも暑いくらいの方が “らしくて” 良いのかも知れないけれど....。

 我々夫婦のお盆のルーティーンは、概ね以下の通り

・お墓詣り (今年は他にもやるべきことが色々あったので、かなり早めに済ませた)
・精霊馬(しょうりょうま) の製作
・お花・お供え
・迎え火、送り火

 最近は、カミサンがせっせとやっている 「キッチンガーデン」 の恵み(作物) を出来るだけ有効利用することにしている。
 精霊馬については、たまたまキュウリが無かったのでズッキーニで代用し、他には ナス、人参、モロッコインゲン、獅子唐 なども混ぜて可愛いく製作した。B DSC06031C1.JPG
 お花も庭に咲いていた野生の花で済ませ、迎え火・送り火も自宅向かいの林に転がっていた白樺の皮を拾ってきて利用。
IMG_7878R.JPG
  田舎暮らし故に出来る “省資源/自前・代用品方式” にて、この数年間過ごしているお盆です。

水彩画-245 『盛夏のスケッチ2019(3)/日野春駅舎』

 7月最後のスケッチ会は梅雨明け直前の曇天下、山の風景は早々に対象から外し、前々回の富士見駅に続いて 「日野春駅舎」 を描くことになった。


画題 『盛夏の日野春駅舎』 北杜市長坂町、 サイズ:A4

 JR日野春駅も富士見駅と同様、駅舎が古い木造でレトロなイメージを残している。
 一日の利用者が数百人程度の無人駅ということではあるが、近くに昆虫マニアの間では “聖地” とも言われている有名な 「オオムラサキセンター」 があり、丁度夏休みに入って蝶の孵化シーズンということも重なってか、乗降客で結構賑わっているように感じた。

 駅前を暫く移動しながら、駅のやや右サイドから眺めるアングルで描くことになった。
B 盛夏の日野春駅.JPG
       <同場所の写真>B DSC05911.JPG
 駅舎以外にも 「入口の左サイドに在る真っ赤な郵便ポスト、電話ボックス、一本の電柱、複数ののぼり旗、タクシー、自販機 など」 細かな絵要素が多い絵である。さらに人影も何人か入れて夏の観光シーズンの雰囲気を出すよう試みた。


  JR中央本線の駅舎は、近年その殆どがコンクリート造りのモダンな姿に変わってしまっている。こういうレトロ感覚の駅舎は、近くにはもはやそう多くは残っていないが、機会を見つけてまた描いて見たい。

水彩画-244 『盛夏のスケッチ2019(2)/雨のジャージー牧場』

今週初めにやっと梅雨が明けた。関東地方は途端に ”猛暑”。富士見町もこの数日最高気温30℃近くになっている。しかし、昨年に比べれば気温は低いはずで、それでも暑く感じるのは7月一か月間異常に涼しかったためなのだろう。

 さて、まだ梅雨明け前の7月中旬のスケッチ会は、初めから生憎の “雨”。
「どこで描こうか?」 と車の停められる場所を探して15分くらい彼方此方ウロウロする。

 久々に清泉寮附近へ行ってみたが、近年手前のレストハウスが大改修されて以来、大駐車場からの景観はすっかりダメになってしまっている。

 清泉寮から200mほど下った所に 「ジャージー牧場」 という施設がある。かの有名なジャージー牛を飼育していて、観光客に大人気のソフトクリームの原料となる生乳を生産しているらしい。

 この牧場の隣に適当な駐車スペースが見つかったので、そこへ車を停めて牧場風景を描くことになった。
 今回は、ここでのスケッチ2点を掲載する。


画題 『雨のジャージー牧場(1)』 北杜市清里、 サイズ:A4

 最初に描いたスケッチは、右側にメイン畜舎の半分を入れ、左側に丁度草を食んでいた数頭のジャージー牛を入れる構図にした。

B 雨のジャージー牧場2.JPG
       <同場所の写真>B DSC05874.JPG
 これはこれで自分として納得出来たスケッチだった。
 但し、描いて見ると中央奥の赤い屋根の施設がどうも気に入らない。角度の問題かもしれないが、形が良く見えないし、絵としてしっくりこない。

それで、後日もう一枚描いたのが次のスケッチ(2)。


画題 『雨のジャージー牧場(2)』 北杜市清里、 サイズ:A4

B 雨のジャージー牧場3.JPG
       <同場所の写真>B DSC05881.JPG
 スケッチ(2)は上記(1)よりも画角を広げ、右側にサイロ2棟を含む畜舎全体を入れて見た。この場合、もはや画面左には乳牛が入らなくなる。しかし、あまり絵に成らない中央奥の施設は小さめにできる一方で、右側に大きく入った畜舎の形が良く、牧場の雰囲気を良く表現できたと感じている。

なお2枚とも空の彩色具合に依って、曇天と降雨の雰囲気を表現するようにした。

水彩画-243 『盛夏のスケッチ2019(1)/富士見駅舎』

 関東甲信地方の梅雨明けは、台風の影響で来週までお預けとのこと。
結局今年の7月は “夏” という季節感が殆ど無かった感じだ。それでもこの数日は晴れ間がのぞくことが多くなり、時折セミの鳴き声も聞こえる日和になってきている。
 それで、記事タイトルもやっと 『初夏のスケッチ』 から 『盛夏のスケッチ』 に変えることにした。(元来夏の短い富士見高原では、この調子だと “夏は2週間ほどで終わってしまう” 可能性がある。そろそろ変えておかないと....という焦りもあり)

 今回は、7月中旬の梅雨空の下で描いた 「JR富士見駅舎」 のスケッチを3枚掲載する。


画題 『梅雨空の富士見駅スケッチ(1)』 JR富士見駅前、 サイズ:A4

 毎週のようにスケッチをするようになって7年ほど経つが、何故かこれまで地元の富士見駅を描いたことが無かった。今回、富士見美術展を見に来てくれたスケッチ仲間と意見が合致して、この駅舎を描くことになった。
 今にも降って来そうな天気だったので、駅前ロータリーに面した公園のバス停ベンチ近くに各自陣取った。いざとなったら、バス停の軒下に逃げ込むことが出来るからである。
B 梅雨空の富士見駅1.JPG
       <同場所の写真>B DSC05844.JPG
 山や田園と異なり、こうした絵の場合は 「駅舎の外観、周囲の付帯物(看板、植え込み、車、販売機 etc)、駅舎内部、人物」 など絵要素が多いので通常よりもデッサンに時間がかかる。
 1時間ほどで何とかデッサンを終わらせ 「さあ、彩色を始めようか」 と思った矢先にポツリポツリとやって来た。「これはちょっと厳しいな...」 と考え、彩色は家に帰ってから行うことにした。


画題 『梅雨空の富士見駅スケッチ(2)』 JR富士見駅前、 サイズ:A4

 上記の作業時、先生や他の仲間が描いていたスケッチのアングルや、何気ない会話の中で構図の選び方で自分として2、3ヒントがあった。それで後日、一人で描いたのがスケッチ(2)と(3)である。
 スケッチ(2)は、駅舎右側に移動して斜め45度辺りから見た構図で描いて見た。
B 梅雨空の富士見駅2.JPG
       <同場所の写真>B DSC05846C1.JPG
 ポイントは、コーナーにある “駅そば屋さん”。また、斜めに見る駅舎は正面からとは異なった奥行き感を出すことが出来る。但し、手前に適当な点景が無いのがやや寂しい。


画題 『梅雨空の富士見駅スケッチ(3)』 JR富士見駅前、 サイズ:A4

 スケッチ(3)は、公園の中で一番駅から遠い場所まで引いて描いて見た。
B 梅雨空の富士見駅3.JPG
       <同場所の写真>B DSC05854.JPG
 この場合の特徴は、手前に点景を豊富に入れることが出来る点である。
具体的には
 ・色取り取りの花が咲く花壇 と 公園のベンチ
 ・左右に一本ずつ立つリンドウ型ランタンのポール

 などが、駅舎の正面中景に対して遠近感を演出し緩急をつけることが出来ると感じている。
 上記3点それぞれ特徴があるわけだが、絵としての魅力度という点では スケッチ(3) が一番良いように思う。しかし初めて描く題材の場合、いきなりそういう発想・選択が出来ないのは “未だ小生は未熟” ということなのだろう....

水彩画-242 『初夏のスケッチ2019(4)/ROCK前』

 日照不足は特に関東甲信地方が深刻のようだ。
 晴天率の高いことで知られる八ヶ岳周辺も、さすがに今回は例外ではない。
 一瞬、陽が出ることも有るが、直ぐにまた厚い雲が垂れ込め雨が降って来る。

 こうした天候不順の “合間を縫って” 行うスケッチは何かと大変である。絵の題材としての条件よりは 「車を停めたところから余り離れないで描ける(いざとなったら車に駆け込める)」 場所を優先せざるを得ない。

 そんな状況下で、2週続けて描いたのが清里の総合型リゾートである 「萌木の村」。具体的にはここのメイン施設である 「レストラン ROCK」 前で描いた2点を掲載したい。


画題 『初夏のROCK 2019(1)』 清里 萌木の村/ROCK前、 サイズ:A4

 久々に訪れたROCKの前庭エリア。以前は殺風景だった花壇などのアプローチが随分綺麗に整備されていた。これは絵に成りそうだと感じたが、今にも降りだしそうな日だったので、たまたま在った小さな小屋の軒下を借りてスケッチすることにした。
B 初夏のROCK 2019(1).JPG
       <同場所の写真>B DSC05781.JPG
 構図として、ROCK建物の右側を入れるかどうか一瞬迷ったが、以前一度描いた時に手間がかかって大変だった記憶が有るので、左側半分に限定することにした。その代りに、玄関前の “花車” と左奥の “ドイツレストランのオレンジ色の屋根” などを一部入れることにした。
 描いている途中予想通り降雨があり、軒下で描いていて正解だった。
 

画題 『初夏のROCK 2019(2)』 清里 萌木の村/ROCK前、 サイズ:A4

 次の週も同じ場所に出かけた。この日は曇天ではあったが降雨の心配はなさそうだったので、軒下に拘らずに描くことが出来た。で、前回とは少しアングルを変えた場所から描くことにした。
B 初夏のROCK(2)a.JPG
       <同場所の写真>B DSC05813.JPG 
 この構図のポイントは、右側からカーブしてステップで上がって行くアプローチである。両側の花壇には色とりどりの草花が植えられており、そうした華やかな雰囲気を出すことを留意して描いたつもりではあったが、彩色の仕上がりは今一つと感じている。

水彩画-241 『初夏のスケッチ2019(3)/雑木林の中のショップ』

 昨年の初夏(6月~7月)は全国的な猛暑が続き、そのつらい経験から高原の我が家も、昨年末ついにエアコンを取り付けて猛暑に備えた次第。

 ところが、今のところ今夏は全く暑くない。梅雨後半は特に雨天続きとなり気温も一向に上がらない。朝夕などは上着を着ないと肌寒い程だ。世間では 「先回りをして備えをすれば、肩透かしを食らう」 というのが通説にもなっているようだが “確かになア...と“ つくづく感じるこの頃である。

まあ、余計なエネルギーを使わずに涼しく過ごせるのだから、有難いことには違いない。


 さて、今回は梅雨時の定番の一つである 「避暑地の林間施設でのスケッチ」 を一点掲載する。



画題 『雑木林の中のショップ』 北杜市大泉町 八ケ岳倶楽部内、 サイズ:A4


 大泉町の標高の高い所に、俳優の柳生博氏が創設したことで有名な 「八ヶ岳倶楽部」 という林間施設がある。広大な雑木林の中に レストラン・ティールーム、雑貨類のショップ、イベント・展示小屋 など、都会からの客が興味を示すような複合型施設で、ホリデーシーズンには避暑客などで大変賑やかな場所である。

B DSC05774.JPGB DSC05772.JPG

 この日は曇天で山の景色が望めないため、いつものスケッチ仲間で題材選びとして初めてこの施設へ出かけることになった。

 受付でスケッチの許可をもらい敷地内に入ってみると、建物群の周囲がどれもしっかり木々に覆われており、それをまともに描こうとすると “至難の業” というのが第一印象。それでも、メインの雑貨ショップの裏口へ通ずる林間プロムナードを少し下ったところから、ショップを見上げる構図で何とか描いて見ようかという気持ちになった。


 1時間ほど描いて見たわけだが、やはり

・周囲の枝葉の被さりが凄くて、建物の外観(形状)が良く認識できない
・多種多様に茂る草木の彩色上の描き分けが大変難しい

 というようなことで 「どうやらこれは失敗作だ」 と悟り、作業を中断することになった。

 それでも、折角トライしたこの題材をそのまま放置するのは自分として納得できない。それで、後日自宅で再描したのがこの作品。

B 雑木林の中ののショップa.JPG

       【同場所の写真】B DSC05769.JPG

留意点は

 ・ショップをアップで捉え、屋根や塔などの外観はカットしてしまう
 ・入口から見えるショップの内部をある程度描写する
 ・近景として左手前に雑木の太い幹を大胆に入れる
 ・草木類に射す “陽光と影” を意識した “緑系の彩色”
 ・避暑客のアレンジ

 現地での失敗作に比べると、何とか見られる水準には成ったように感じている。


【富士見美術展 開催中】

先週の本ブログ記事でも紹介した 「第37回 富士見美術展」 が今週9日から始まっている(15日まで)。会期初日に撮った会場の写真があるので、その様子を一部掲載しておきたい。

1 IMG_7800.JPG2 IMG_7791.JPG3 IMG_7797.JPG4 IMG_7795.JPG

水彩画-240 『富士見美術展 出展作』

 今月、富士見美術会の定例の夏の美術展が、下記次第にて開催されますので、先ずはご案内まで。

・日時: 2019年7月9日(火)PM から 15日(月) AM まで
     期間中は毎日 9:00 ~ 17:00 
・場所: 富士見町コミュニティ・プラザ(図書館)2階 大会議室
・展示: 洋画を始め日本画、水墨画などの絵画作品(約90点)、陶芸作品 など
・入場: 無料・自由観賞

 ご都合がつきましたら、是非お立ち寄りください。

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 ということで今回は、当美術展に出展するため少し前からアトリエで描いていた作品を掲載したい。


【作品1】画題 『薄暮の八ケ岳』 原村 中新田、 サイズ:P8

 作品1と2は、冬場に習作を描いたテーマ。その習作を通じて得た反省点を本作に反映させて描いてみた。
B 薄暮の八ケ岳(P8).JPG
 留意点は、
・夕暮れ時の陽光を受けて輝く八ヶ岳連峰の峰々の色彩
・上記に対して、裾野は西山からの影に沈むモノトーン調の彩色
・積雪の水田地帯の表現


【作品2】画題 『早暁の南アルプス』 信濃境 葛窪、 サイズ:P8

 東方向に見える八ヶ岳を題材にした作品1に対して、作品2は西方向に見える南アルプスを描くことにした。時間帯も “夕暮れ” に対して “日の出” を選択した。
B 早暁の南アルプス(P8).JPG
 留意点は、
・日の出時の陽光を受けて輝く南アルプスの峰々の色彩
※ 特に、甲斐駒ケ岳の白っぽい色調に対して、鮮やかに輝く裾野のオレンジ系の対比
・低い斜光によって強調される西山群の山肌の陰影
・雪の無い冬枯れ状態の水田地帯の表現


【作品3】画題 『カラマツの道』 海ノ口自然郷、 サイズ:P10

 今年の春、スケッチ会で2回描いた 「海ノ口自然郷」 付近のカラマツ並木。過去にも何度か描いた場所でもあるので、この際集大成版のような作品を描いて置こうと考えたのが動機。
B 新緑のカラマツ並木2(P10).JPG
留意点は、
①カラマツ並木の色調の描き分け
・道路の左側(順光で明るい)と右側(日陰・逆光で暗い)の差異
・並木の先端と下部のコントラスト
・左側から中央へ伸びる大きな枝と奥の並木の差異
②道路沿いから左右の奥へ連なるカラマツ林の距離感
③上部から差し込む光に依る木の幹に現れる陰影
④右サイドから差し込む光による林の陰影
⑤緩やかに下がって行く道路の表現

 全体として色調がやや “おとなし目” とも感じるが、「透明水彩の良さを出すためには、色が濁らない程度に留める....」 という考えを優先した結果とも言える(自己評価)。

水彩画-239 『富士黎明』

 これまで雨の少なかった梅雨前半だが、今週後半から台風の影響によりいよいよ本格的な降雨が続きそうである。

 しばらく屋外スケッチばかりをブログ記事にしてきたので、今回は3か月ほど前にアトリエで描いた “富士山” の作品を掲載する。



画題 『富士黎明』 山梨県北杜市、サイズ:F6

 “富士” は特別な動機が無い限り、私は普段余り題材にしない。
 過去には2017年の年末に、年賀状用として2点セットの富士山の作品を描いたことがあるが、以降しばらくは離れていた。

 今回敢えて描くことにしたのは、息子の自宅用に贈る絵として “富士” はやはり相応しい題材だと思ったからである。

 八ヶ岳山麓から見える富士はやや距離が遠いため、周囲の風景に対して小さくなってしまうのは必然である。以前描いた作品では、そうした “遠目の富士” を有りのままに描いたわけだが、今回はかなりズームアップして ”はっきりと富士が主題” という構図の絵にしてみた。
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 季節は冬、時刻は明け方。いわゆる “赤富士” の条件に近い設定ではあるけれども、浮世絵のように現実離れをした領域にまでは赤くしなかった。

 創作過程で留意したのは、以下の点。

・黎明時間帯独特の “透明感のある空”
・富士のほぼ中央で左右に分かれる ”稜線の色調と陰影”
・裾野に幾重にも連なる “雲海”
・手前のシルエット状の ”樹影”


 全体の色バランスが “丁度良い感じ” を探り当てるのに、小サイズで4枚ほど習作を描くという手間を要した。

 富士の絵は、店舗や自宅に飾る絵として万人が見慣れているポピュラーなもの。それ故、皆さん押しなべて目が肥えている上に、見る人に依って好みも多様だということを承知している。
 
 幸いにも、肝心の息子夫婦はとても気に入ってくれたので描いた甲斐があったというもの。現在、彼らの自宅玄関の壁に、つつましく掛けられている。


水彩画-238 『初夏のスケッチ2019(2)/高原の牧場』

 甲信地方の今年の梅雨前半は、雨の日よりも “晴れの日の方が多い” 状況である。
しかも、昨年のような暑さは5月末に2日間ほどあっただけで、梅雨入りして以降はむしろ、爽やかで涼しい日が多く、朝夕は暖房が欲しいと感じる日もあるほどだ。

そういう訳で、屋外でのスケッチ会も今のところ暑さを感じることも無く、比較的快適な環境が続いている。

 今回は、大泉町の北寄りにある 「まきば公園」 で描いたスッチ2点を掲載する。

 過去に何度も出向いた 「まきば公園」。特に、私が定年退職してスケッチ会に参加するようになって間もない頃(6~7年前)に、良く描いたスポットだ。その当時は、色んな面でまだまだ要領が掴めず毎回反省ばかりしていたという苦い記憶の残る場所でもある。



1.画題 『初夏の牧場(まきば)(1)』 大泉町 まきば公園、 サイズ:A4

 5月の後半に出向いて陣取ったポイントは、大きく傾斜している牧場のほぼ中央付近。園内では一番低く “鍋底のような場所” だ。ここから北側の八ケ岳を仰ぎ見るアングルで描いたメンバーもいたが、私は南側の方向を選択した。
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       <同場所の写真>
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 このスケッチの主題は 「ヤマナシの大木」 である。木全体が鮮やかな若葉に覆われ、さらにこの時期にだけ咲く白い花とのコラボレーションが見事であった。

 観光牧場として放牧されている羊も、時折ヤマナシの木の下に出入りしていた。それで、格好の “添景” として木陰で休む 「サフォーク」 を入れることにした。


2.画題 『初夏の牧場(まきば)(2)』 大泉町 まきば公園、 サイズ:A4

 6月の第2週に再度出かけた時は北端の大駐車場に車を停め、そこから道具を担いでしばらく牧場内へ降りて行った辺りで描くことになった。

 天気が良く遠方には富士山が良く見える。また、周囲の樹々と牧草地の “鮮やかな緑” が目に眩しい程だ。折しも、右手前の柵内に馬(ポニー)が数頭放牧されていた。手前から中央奥へカーブしながら続く遊歩道を入れることで遠近感も演出できる構図だと感じた。
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       <同場所の写真>
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画面の大半を占める 「“緑” の描き分け方、メリハリの付け方 に反省点あり」 と感じた次第。


水彩画-237 『初夏のスケッチ(1)/初夏の田園』

 関東甲信越は先週末に梅雨入りとなった。直後から急に雨天が多くなり肌寒い日が続いている。

 里山の水田には、植えられた稲苗が既に結構伸びており、横から見るとほぼ全体が緑色に見える。周囲の林や山の森も深い緑になってきており、もはや夏の景色である。

 そんな中で、富士見美術会恒例の初夏の写生会が行われた。場所は 乙事(オッコト) という古くからの集落地域にある 「町民広場」 付近。ここには 海洋センター、マレットゴルフ場、野外保育場、野球場、キャンプ場 など町の屋外施設が多数あり、何かにつけて町民が集まってスポーツイベント等で交流を深めることの出来る場所である。

 今回は、今週の写生会で描いたスケッチに加え、5月にほぼ同じ場所で一人で描いたスケッチと合わせて2点掲載する。


1.画題 『初夏の田園(5月)』 富士見町乙事、 サイズ:A4

 5月の中旬、新緑の美しい最中に一人で描きに出かけた。
手前には代掻きが済んで水の入った田が広がり、遠景の西山(入笠山や鋸岳)も良く眺望できた。天気もまずまずでスケッチには好条件が揃っていた。
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       <同場所の写真>
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 水田の奥にある里山の林と西山の裾野の 「新緑の鮮やかさ」 を主題に描いたつもりではあるが、構図的にややおとなしい感じになってしまった感がある。もう少し画角を広げて、水田の連なりを描き込んだ方が良かったかも知れない。


2.画題 『初夏の田園(6月)』 富士見町乙事、 サイズ:A4

 前夜に激しい雷雨があり天気を心配したけれども、6月の写生会当日の朝は何とか雨が上がって助かった。
但し、空はどんよりとした典型的な梅雨空。遠くの高い山(八ヶ岳、南アルプス)は大半が雲に隠れてしまっている。
 皆さん題材選びに苦労していたようだが、私は早々に山を諦め 主題を 「田園と梅雨空」 に据えた。
町民広場前の道路沿いから南側を見ると、左から右へ緩やかに下る傾斜地を利用して階段状に水田が広がっている。画面下半分にそうした水田と、中景に連なる防風林(アカマツやカラマツ)を入れる。従って残り上半分が空となるわけだが、快晴の日なら退屈な青空となってしまうが、雲の多い梅雨空の場合は変化がある分、何とか絵にすることが出来る。
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       <同場所の写真>
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 水田地帯の構図面でやや苦労したが、梅雨空については大まかに捉えた感じで表現出来たように思う。

水彩画-236 『新緑のスケッチ2019(4)/新緑のカラマツ並木』

 新緑の季節も5月末から6月初めになると、里山エリアは既に “初夏” の雰囲気となり、標高の低い田園周辺は緑が一様に深くなってしまう。従ってこの時期 “新緑” を描くにためには、標高の高い場所へ上がっていくしかない。

 そうした狙いでいつもの仲間と出かけたのが、野辺山の国道141号線から 「八ヶ岳高原ロッジ」 へ通じる道路沿いにある 「カラマツ並木」 だ。ここのカラマツは枝振りが見事なので、春または秋に概ね年に一度は描きに来ている。

 今回は、2週続けてほぼ同じ道路沿いで描いたスケッチ2点を掲載する。


1.画題 『新緑のカラマツ並木(1)』 南牧村 海ノ口自然郷、 サイズ:A4 

 構図としては “緩やかな起伏を伴いながら下っていく道路” が大きなポイントとなる。そこが決まれば、後は左右から道路側へ極端にオーバーハングする枝と新緑の葉の表現の出来具合となる。
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       <同場所の写真>
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このスケッチでは、枝葉のボリューム感はある程度描けたと思うのだが、木の下部の表現(道路の手前から奥へ連なる感じと、表側から林の奥へ連なる感じ の両面) に反省点があると思う。


2.画題 『新緑のカラマツ並木(2)』 南牧村 海ノ口自然郷、 サイズ:A4


 次ぎの週にもほぼ同じエリアに出向いたが、上記よりも若干下へ下ったポイントで描くことになった。一方、前回は道路が下へ下がっていく方向を描いたが、今回は上に登っていく方向を選択した。また、僅かではあるが並木の切れ間から赤岳の上部が見える。
 
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       <同場所の写真>
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 前作の反省点を踏まえ、下記について特に留意した。

・新緑の葉の色合い(メインとなる枝葉には青みがかった緑色を使用)
・枝葉の明るい部分と暗い部分のメリハリ付け
・林立するカラマツの林の奥行き感の表現(変化の付け方)

 同じような絵を何度か描くことによって、幾らかなりとも改善・進歩はあるという実感を持てたスケッチ会だった。



水彩画-235 『新緑のスケッチ2019(3)/新緑の田園(小淵沢)』

 今月、精力的に描いている 『新緑のスケッチ』 第3弾として 「田園」 を主題としたスケッチを2点掲載する。

 小淵沢の田園エリアは八ヶ岳の西麓に位置し、西方向に緩やかに傾斜している。従って丁度南アルプスを正面に仰ぎ見る地形となる。このエリアの田園風景は、従来一人で春と秋に何度か描いているが、今年も微妙にポイントを変えてスケッチをした。


画題 『新緑の田園1(小淵沢)』 小淵沢町 帝京高校グラウンド下、 サイズ:A4

 私が毎週大泉町付近であるスケッチ会に通っている途上に、景観のすこぶる良い小淵沢の田園地帯がある。「ここはナカナカ良い場所だな」 と意識はしていたが、車を停める適当な場所が見当たらず、これまでスルーしていた。
 ところが、最近交差点付近に結構広い駐車スペースがある場所を発見し、いつものスケッチ仲間を誘って初めて出かけてみた。
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       <同場所の写真>
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 正面奥に甲斐駒ケ岳と南アルプス連峰を臨み、中景には新緑の美しい林と民家、さらに手前には水の入った田が広がり、これぞ理想的な “春の田園風景” と機運が盛り上がった。

 新緑の色彩と南アルプスの裾野の広がりを表現することに留意した。


画題 『新緑の田園2(小淵沢)』 小淵沢町 上笹尾、 サイズ:A4

 上笹尾の田園エリアは、従前にも単独で何度か描きに来た場所。
 小高い丘の上から広大な水田と民家群を見降ろし、奥には南アルプスやその裾野に広がる段丘の森を眺望できる。ここも里山の風景としては理想的な要素が揃っている場所である。
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       <同場所の写真>
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 久々にこのエリアで描いたが、今回は敢えて画角から甲斐駒ケ岳を外し、北西側に連なる段丘と手前に広がる水田を主題にして描いて見た。

 新緑の色彩と雄大な空間を表現することに留意した。

水彩画-234 『新緑のスケッチ2019(2)』

  今が盛りの新緑に満ち溢れた里山に一歩足を向ければ、目に痛い程の鮮やかな色彩と、顔にあたる薫風とが相まって、そこに佇む者の気分をこの上なく爽快にさせてくれる。

 屋外での活動が一年の中で最も気持ち良く出来る5月は、スケッチに出かけるのも一番楽しい季節である。仲間との定例会以外に、私自身この時とばかりに単独でもステッチに出かけるようにしている。

 今回は、そうした 「一人スケッチ」 の中からまとめて4点を掲載する


1.画題 『新緑の大武川』 富士見町神代、 サイズ:A4
 
 この2,3年春または秋に時々一人で描きに出かける場所。釜無川の向こう岸にある 「大武川」 という山梨県の集落。そして、集落の裏にヌッと立ち上がる山肌には、鮮やかな新緑の広葉樹が群生している。さらに、ここの林の特徴は針葉樹も30%ほど混在しており、総合した色彩バランスが大変良いと感じている。
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       <同場所の写真>
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 新緑の林の鮮やかさを主題に描くことと、集落などの彩色は対比として地味にするように心掛けた。


2.画題 『新緑の鏡湖』 茅野市宮川 鏡湖、 サイズ:A4

 数年前に何度か描いたことのある場所だが、以前は湖の東岸から西岸を臨んだ景色だった。今回は、東岸から西岸方向を選択した。この場合、遠方に八ヶ岳連峰を望むことが出来るのが一つのメリットだ。一方、やや高台から見下ろすようになるため、鏡のような水面への映り込みは余り期待できない。
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 主題は “中景に広がる林の新緑の鮮やかさ” というつもりで描いた一作。


3.画題 『新緑の若宮(1)』 富士見町若宮、 サイズ:A4

 私のいつものウォーキングコースの一つにある場所で、古い蔵や民家が点在する集落。何と言っても、その裏山の新緑の美しさに目を奪われる。
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       <同場所の写真>
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 一応民家や道路周辺の絵要素は正直にデッサンをしているが、やはり新緑の色彩をメインとして、それ以外の彩色は控えめにするよう留意した。


4.画題 『新緑の若宮(2)』 富士見町若宮、 サイズ:A4

 上記と同じ地域の田園エリア。丁度田に水が入り、ちょっとした池のような景観となっている。
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 畦道近くの林とさらに奥に連なる山の新緑も大変美しい。水面への映り込みは、空の雲も含めてやや強めに表現した。
 直ぐ近くに在る保育園の園児一行が、丁度 “朝のお散歩” をしている姿を見かけた。都会ではナカナカ見られない何とものどかな風景だと思い、点景として取り入れることにした。

水彩画-233 『新緑のスケッチ2019(1)』

 5月に入って、いよいよ 「新緑の季節」 となっている。
近年私は 「この時期の緑の美しさは、秋の紅葉の色以上だ」 と感じている。しかし、淡く微妙な色調が織り交ざる林や山肌を楽しめる期間は、桜と同様に意外と短い。見頃は恐らく5月中旬の2週間程ではないだろうか。

 そんなことを意識して、普段より精力的に屋外へ出てスケッチやカメラ取材をするようにしている。

 今回は、5月上旬にいつもの仲間と描いたスケッチ2点を掲載する。


画題 『新緑の清里高原』 北杜市 清里の森、 サイズ:A4

 5月初旬に出かけたのは 「清里の森」 というペンション・別荘エリア内の公園。
大型連休ただ中ということで、八ヶ岳山麓周辺の道路の交通量は通常の10倍くらいと思われるほどの混み方だった。それでも、ショッピングやレストランエリアなどの異常な混雑ぶりに比べれば、ここはだだっ広い公園ゆえに余裕のスケッチポイントであった。

 「南側の池方向を描くか? 北側の八ケ岳側を描くか?」 人に依って選択が分かれたが、私は八ヶ岳側を選んだ。
理由は、構図と絵要素の描きやすさ。
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 このスケッチのポイントは 「左サイドにヌッと立つ大きな木」 「時期遅く咲く山桜」 「周囲の春らしい明るい緑」 といったところだろう。描いてみると、思っていたよりも全体のまとめ方に苦労した(特に彩色時のコントラストと色調バランス)。


画題 『新緑の里山』 北杜市高根町 東井出、 サイズ:A4

 連休明けのスケッチ会は、例年この時期に一度は描いている高根町の田園地帯だった。
 丁度水が入り水面が白く光っている田が、手前から遥か遠方まで広がっている景色は雄大である。「画角を広く撮るか、狭く絞るか?」 が選択の分かれ目であるが、私は雄大な空間を表現したかったため “広めに撮る” ことにした。
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       <同場所の写真>
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このスケッチのポイントとしては、以下の5点
 ① 左サイドの民家と、カーブしながら奥へ続く道路 
 ② 同じく、左側民家周辺の新緑の林
 ③ 手前から奥へ階段状に続く水田の畦
 ④ 遠くに水平に連なる暗い林
 ⑤ 雪の残る南アルプス(鳳凰三山)

 今回は、特に①と②に留意して描いたつもりである。
こうした構図の絵は小サイズとは言え、構図(デッサン)をまとめるのに結構時間がかかるというというのを実感した。

水彩画-232 『信金ロビー展』&『桜のスケッチH31(3)』

【春の信金ロビー展へ出展】
 今日の記事は、始めに美術展のご案内をさせていただきます。

 来週の月曜日から当美術会恒例の 『春の信金ロビー展』 が始まります。
 皆さま、お近くにお越しの節は是非ご覧になってください。

期間:5月13日(月) ~ 6月14日(金)
場所:諏訪信金 富士見東支店 入口ロビー
展示:会員が持ち寄った最新作品 二十数点


 私は冬の間に描いた作品1点と、下記のスケッチ 「深叢寺の桜/2枚組」 を出展する予定です。

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【桜のスケッチH32(3)】

  4月最後の日曜日、我が『富士見美術会』 春の恒例行事となっている 「桜の写生会」 が開かれた。
 場所は、原村・中新田にある 「深叢(しんそう)寺」 の境内。

 例年、ここの桜は見頃時期が周辺よりも1週間ほど遅いことで知られている。それで、役員仲間で開花状況を見極めしていたわけだが、4月末は生憎天気が大変不安定となり実施のタイミングがやや遅れてしまったというのが反省点だった。
 とは言えまだ “葉桜” にはなっておらず、桜の花は “何とか絵に成る程度” の密集度合いを留めていてくれた。


画題 『深叢寺の桜 [Ⅰ]/鐘楼下』 原村中新田 深叢寺境内、 サイズ:A4

 先ずは、定番ともいえる “鐘楼を斜め前から見上げる構図” で一枚描いてみた。複雑な構造の鐘楼ではあるが、少し離れると屋根裏の様子など真っ暗で殆ど識別できない。かつ、桜の枝がしっかり被さっているので、鐘楼については殆どシルエット状に描く他は無く、シェイプ全体のバランスに留意する程度に留めた。
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       <同場所の写真>
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 桜については、出来るだけ紙の白い部分を残すことに最も注意を払って描く。具体的には、ピンクの絵の具を 「粗目のスポンジ」 につけて紙に転写するような画法を試みた。
 

画題 『深叢寺の桜 [Ⅱ]/鐘楼上』 原村中新田 深叢寺境内、 サイズ:A4

 もう一枚は、今まで描いたことの無い構図を選ぼうと考え “鐘楼の櫓の上から参道を見降ろす構図” で描いて見た。櫓に登ると、陽が指さない上に風当たりも強くて大変寒かった。それで、体が冷え切ってしまう前に何とか描き終えるように短時間で切り上げた。
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       <同場所の写真>
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 この絵で難しいと感じたのは 「上から見下ろす人」 の表現である。斜め上から見る人のシェイプは “頭や肩が大きくなる、背がズングリに見える、足が小さく短くなる” といったハンディがあり、大変描きづらい。
 なお、櫓の上から見下ろしているという雰囲気を出すために工夫したのは以下の2点。
・鐘楼の手すりの一部を入れる
・手前から奥へ延びる参道の遠近感を強調する


 ※ 平成最後の桜の写生会にふさわしく、盛んに風に舞う桜の花びらの下で皆さん雰囲気を十二分に楽しむことが出来た様子でした。


水彩画-231 『桜のスケッチH31(2)/谷戸の桜と民家』

 『令和』 に入って、最初のブログ記事アップです。

 ”お代替わり” は大変おめでたいことではありますが、この数日間TV等で 『平成最後の....』 あるいは 『令和最初の....』 といった報道が続き、やや食傷気味といった感じです。そんな私自身ではありますが、今回の記事内容は4月末の出来事なので “平成最後の桜のスケッチ” ということになる訳です。
 
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 桜の見頃時期は、あっという間に過ぎ去ってしまうものだ。

4月最終週のスケッチ会は、既に大半が散りつつある里山の中、それでも何処かまだ残っていないかと皆でさ迷うような状況だった。


画題 『谷戸の桜と民家』 北杜市大泉町谷戸、 サイズ:A4

 桜の木の密集している 「谷戸エリア」 に出かけたものの、やはり大半が散ってしまっていた。「せめて数日早かったら...」 という感じだ。
 他の場所へ転回しようかという声も出たが、付近をうろうろしている内に、安楽寺という寺の東側の里山風景が 「絵に成りそうだ」 ということで意見が一致。既に大半は “葉桜” となっている実景を “満開に脚色” して描くことにした。
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       <同場所の写真>
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 ポイントは、
①民家の庭に立つ 「こいのぼり」
②点在する農家の民家
③桜の囲まれた奥の寺の建物
④手前から奥へむかう道路
⑤垂れこめるような雲の被さる空

 但し、それらの絵要素を全て同じような “強さ/タッチ” で描くのではなく、特に①と②に的を絞って描こうと試みた。しかし描き上がってみると、いつものように全体を描き込んでしまった感があるのが反省点。


【考察:スケッチとは?】

 風景画を描く者にとって、現地で短時間で描く行為が ”基本の基” であることは言うまでも無い。
いわゆる 「スケッチ」 とか 「素描」 とか呼ばれる作業だが、人に依ってその解釈にはバラツキがあるように思う。

 例えば、小サイズのスケッチブックに15分程度でデッサンのみをするのもあれば、やや大きめのキャンパスや紙に半日以上時間を掛け、絵としてほぼ完成形まで描き上げるものもある。
 日本スケッチ画会という団体では 「スケッチの線、紙の白地、透明水彩の爽やかさを生かし、簡便なF4サイズを基準とした新感覚の水彩スケッチ画」 と定義している

 私達のグループが年間を通じて描いているスケッチは上記の定義に近い。現場において、デッサン~彩色まで概ね1時間程度で描くことを基本としている。一部描き切れないかった場合は、別途室内で仕上げることもある。 また、我々のスケッチは本画を描くための下絵という位置づけでは無く、それ自体が作品展などで発表できるという水準を目指している。(なかなか、思い通りの出来具合にならないけれど....)

 現場で見て感じた風景(写真では限界がある)を、描くべきポイントを絞って手短に完成させるという行為は、作家の 画力や感性をUPさせるために最適な訓練になる と思っている。

水彩画-230 『桜のスケッチH31(1)/白州の桜』

 春の寒波でやや足踏みとなっていた開花前線が4月中旬にいよいよ八ヶ岳山麓に到達し、やっと今季初の桜のスケッチをすることが出来た。



画題 『白州の桜』 北杜市白州町 神宮川土手、 サイズ:A4

 一口に 「北杜市」 と言っても、平成の大合併によって出来た市なのでその面積は広大である。かつ、北と南では標高差も随分大きいため、北杜市内で開花の早い所と遅い所では2週間ほどの開きがあると感じる。
 そんな中で、白州町の国道20号線を横切るように流れる  「神宮川」  の桜並木は、開花時期としては丁度中間的な場所である。

 私自身は3年ほど前にここで描いたことがあるが、いつものスケッチ仲間と来るのは初めてである。桜の枝の間を縫って 「甲斐駒ケ岳」  を眺望できるという点で良い場所ではあるが、先生・仲間の意見としては 「構図の取り方が難しい場所だ」 という感想であった。
 
 確かに、見た通り忠実に描こうとすると “桜と甲斐駒ケ岳の位置関係の選択” に迷いが出てしまう。どこのポイントからも所謂  “絵として理想的な配置” という訳にはいかない。

私としては、桜の木と枝の配置を “実景に拘らず適当にアレンジ” して構図を作ることにした。
 
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       <同場所の写真>
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 自己評価として 「何とかまとめた」 というスケッチではある。

 毎年思うことだが、やはりシーズン初めに描く桜の絵というのは 「勘所が決まらずナカナカ思うように描けない」 というのが正直な気持ちである。

水彩画-229 『春雪の野辺山』

 4月第2週のスケッチ会は、北関東地方に春の大雪が降った翌日だった。

 空は良く晴れ遠くの山並みもはっきり見えて、山麓一帯には前日の雪がしっかり残っているという、スケッチには好条件が整っていた。

 それで 「今季最後の雪景色を描こう」 ということで再度 野辺山高原へ出かけた。


画題 『春雪の野辺山』 野辺山高原、 サイズ:A4
 
 国道141号線から右手(東側)の農道に入ってしばらく進むと、この地域のシンボルの一つとなっている “ヤマナシの木” がある。道路脇に一本だけヌッと生える大木ではあるが、近年はすっかり枯れてしまって勢いがないのが残念である。
昨年の9月にもこの付近から “八ヶ岳と野菜畑” を題材にスケッチしたことがあったが、雪のある時期に来たのは久々である。

 現地に行ってみると、ほぼ期待した通りに “畑の積雪” “冠雪した八ヶ岳連峰” “点在する耕作機械” などの絵要素が揃っている。

広い農道の左側に車を停め、斜めに八ヶ岳を臨む構図で描いて見た。
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       <同場所の写真>
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 例によって、画角をどの程度に設定するかで悩んだが、今回は連峰の主要部6割くらいの範囲で切ってみた。この画角だと空と畑の比率が無理なく収めることが出来る。

 先週本ブログに掲載した 『早春の野辺山』 でも触れたように、もっと思い切ってズームアウトした構図をとれば 「圧倒的な空間の広がり」 をより表現しやすくなるがわけだ。但しその場合、上部(空)と下部(畑)エリアのまとめ方はさらに難しくなるというデメリットもある。


 さて、いよいよ主題としての “雪景色” は今回で終了となりそうだ。春の遅い八ヶ岳山麓も4月後半には一気に春景色に変わり、野山の色彩も豊かになって来ると期待している。

水彩画-228 『早春のスケッチ(5)/早春の野辺山』

 八ケ岳山麓では、桜や新緑の景色にはまだしばらく待たねばならないこの時期、スケッチの題材としてはやはり “雪の被った山” というのが順当な選択である。

 標高1300m以上の野辺山高原は、とりわけ春が遅い。4月に入っても風は冷たく、外でスケッチ作業は出来そうもない日が殆どである。

 4月最初のスケッチ会は、久々に我々のポイントである 「トラクター小屋」 に出かけた。残念ながら畑エリアには雪も草も全くないが、天気は快晴で八ヶ岳連峰の全景がくっきりと見えた。


画題 『早春の野辺山(A)』 野辺山高原、 サイズ:A4
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       <同場所の写真>
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 左手にある 「農作業小屋」 及び 「道路と電柱」 を入れ、八ヶ岳は 「赤岳と横岳」 を中心にややアップの構図で描いて見た。過去何度も描いた経験から 「カラマツ林の間から透けて見える山麓の雪」 の表現に特に留意した。

 これはこれで悪くは無いが、快晴の日の “圧倒的な空間の広さ” を表現するためには、「もう少しワイドにとらえた方が良かったかも....」 という反省が残った。

それで、帰宅後にズームアウトした構図で再描してみた(下記)。


画題 『早春の野辺山(B)』 野辺山高原、 サイズ:A4
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       <同場所の写真>
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 思い切って “紙の上半分を空、下4分の1を畑” という比率にして、八ヶ岳のほぼ全体を入れる構図をとってみた。手前に “積雪または何か特徴的な絵要素” が有れば別であるが 「描き込みたい主題が中央部の1/4しかない」 という構図はとらないのが通常である。敢えてこうした構図にした以上、何か一工夫が必要となる。
 空は “雲が風で流れる感じ” 畑は “あまり描き込まない” ことを意識した。
 山以外は殺風景な景色ではあるが、草の明るい緑などを何気なく入れることで “早春らしさ” を表現したつもりである。 


【余談:平成最後の大雪?】

 全国的に冬型に戻った今週、我が富士見町では15cmほどの積雪となった。
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 天気予報で雪になると予想はしていたが、まさかこんなに本格的積雪になるとはビックリである。

 万一ということもあるので我が家はまだタイヤ交換をしていなかったが、近隣の中には既に夏タイヤにした人もいて、外出に影響が出たようだ。

 週間天気予報によると、この先積もるほどの雪はなさそうだ。だとすれば、今回の春雪は正に 『平成最後の積雪』 ということになる。4月としては驚きの大雪ではあるが ”一つの時代の終わりをしっかり締めくくる雪” とも解釈できる。ちょっと大げさに言えば ”30年間の全てを一旦真っ白に戻し、人々の気持ちを新しい時代へと向かわせる” というお役目だったのかもしれない...