水彩画-300 『上野の応募展へ出展』

 例年夏に東京「上野の森美術館」で行われる 『日本の自然を描く展』 は、今年も第33回の展覧会が9月に開かれている。

  私は過去5年間毎年応募して来たが、いつも “入選” 止まり。応募する以上は、たとえもう一ランクでも上の評価をもらえるように.....と考えるようになった。

 そんな中で応募した拙作が、今回初めて “上位入選” という評価をいただいた。先ずは、何とか自己目標の第一ハードルを越えることが出来たと、素直に喜んでいる(コロナ禍ゆえに、私自身は今回上京しないが....)。

応募作は、

画題 『そして、穏やかな時間』 富士見高原、 サイズ:P8号相当

B そして、穏やかな時間(彩).JPG

<創作の経緯>

 今年もこの応募展に向けて春先から創作準備を進めていた。頭に浮かんだ題材候補が複数あり、試行錯誤しながら習作を描いては没にし、ガッカリし、また描き直してさらに迷い...といったような行為を何度か繰り返していた。それで気がついたら、当初決められた応募期限(5月中旬)に迫っていて 「今年はもうパスしようか...」 と諦めかけていた。
 すると、主催者側から 「コロナ禍の影響により、応募締め切りと展覧会の時期を延期する」 との通知が届くようになった(2度)。そうこうしている内に6月に入って、何とか一点だけ “自身が納得できるレベルの作品” が出来上がったため 「では、出してみるか?」 という気持ちになった次第だ。

 この作品の題材としては “八ヶ岳高原の森林地帯” 及び “近くにある旧修道院跡地” を元にしている。しかし、いわゆる “風景” では無く “情景” にすることを狙いにしているため、上記題材の何れも “参考にする” 程度のみで、構図や点景、彩色 それぞれにおいて ”創作“ 部分が多い作品である。


<画題&情景について>

画題についてもいろいろ考えた。
「○○○○の風景」 といった凡庸な題にはしたくなかった。この絵を見ていただく方に  “何を感じてもらいたいのか(訴求性)?” を考えた末、標記の画題に決めた。

 一組の老夫婦。
 八ヶ岳高原に移住してきた人か?地元住民か? は別にして、恐らくは他人に語り出せば相当長くなりそうな紆余曲折の人生を送ってきたであろう二人。とにかく今は “美しく静かな自然環境の中、穏やかに心安らぐ日々を過ごしている”。
今は何も “欲求” というものは無い、そんな二人を “晩秋の朝霧と柔らかな陽光” が優しく包み込む。そうした “情景” を思い浮かべて描いてみた....。 

水彩画-299 『初秋のスケッチ(1) & 秋の信金ロビー展オープン』

 残暑が厳しいとは言え、9月に入った途端に “雨の日” が多くなってきた。暦というのは正直なものだ。9月最初のスケッチ会は雨でお流れとなってしまい、第2週からということになった。

 一方、コロナ禍で行事の大半が中止となっていた富士見美術会の活動ではあったが、定例の 『秋の信金ロビー展』 は “密環境ではない” ということで、予定通り開催されることになった。

 ◇ 期間:2020年9月14日(月) ~ 10月16日(金) 
 ◇ 場所:諏訪信金富士見東支店ロビー(西友富士見店 横)


B IMG_8570.JPGB IMG_8568.JPG
 従って、今日は 『初秋のスケッチ(1)』 と 『信金ロビー展』 の2件の記事を掲載する


【初秋のスケッチ(1)】

画題 『眼下の集落』 北杜市高根町長澤、 サイズ:A4

 この日は欠席者が多く参加メンバーは計3名。それで先生の発案で、ちょうど車が3台くらいは停められそうな場所で、良い題材があるから行ってみようということになった。

 行った先は、高根町の国道141号線沿いにある 「長澤」 という古くからの集落。ここは沢のようになった地形で、大泉町から国道へ出る一段高い道路から、集落全体を見下ろすことが出来る。道路わきの待避スペースに車を停めてその位置から見た “眼下の集落” を描くことになった。

B 眼下の集落.JPG
       <同場所の写真>B DSC07555.JPG
 古民家風の建物が数多く連なっている風景は、久々に描いたように思った。私自身、好きな題材だ。こうしたスケッチはデッサンが勝負で、それに時間をかけることになるのは致し方ない。その分、彩色は “淡彩風” でさっぱりと仕上げる感じだ。

 先生から 「裏山の林は垂直方向をやや詰めて、空を若干入れることで、上から見下ろした感じを強調できるはず」 というアドバイスをいただいた。彩色前にそのように変更してみたところ、確かに効果が出ているように思う。



【秋の信金ロビー展オープン】

 我が美術会の久々の作品展示会。事前の役員間の話し合いでは 「会員皆さんが、コロナ禍で描いているかどうか心配」 という声が多かったが、ふたを開けてみたら “例年以上の出展数” となり、一安心した。

 私自身は3点出展したけれども、この展示会のために新たに描いたのは、次の一点である。

画題 『湖水の晩夏光』 南佐久郡小海町、 サイズ:P8

B 湖水の晩夏光.JPG
 8月に仲間と訪れた 「松原湖」 の風景。現地で描いたスケッチをもとに、ややサイズアップして再描した作品。
 但し、本作を描くにあたって工夫した点は以下の項目。

・画角をややワイドにして、空と水面スペースを広くとる
・右側のレストハウスを、その奥にあった別の建物に変更する
・右上からの太陽光(夏の日差し)による陰影(林や水面)を強調

 訪問時期は8月末で正に 「晩夏」 だが、今年はいつまでも盛夏のような暑い日差しが続いていた。そんな雰囲気を意識して描いたので、画題を色々と考えた結果 「晩夏光」 という季語があるのを知り、採用した次第。

アトリエ随窓-22 『コロナ禍の誕生日に』

 コロナ禍の今年は何も行動できずに、このままだと 「失われた一年」 になってしまうのではないか? と思うこの頃。

 これまで大災害があった直後などに、派手なことを一時自粛するというようなことはあったけれども、病気(感染)予防を理由に “外出を控える” “人に会うのを避ける” さらには“ 家族にも会えない” なんて! しかも先が見えない...こんなの長い人生の中で初めての経験だ。

 家に籠ることが多くなった春以降、 “絵を描くこと” は継続していたけれども、やはり気分転換も必要だ。それで若い頃にやっていた “フォークギター” を引っ張り出して弾き始めた。

 然るに、件のギターは40年ほども前に薄給で買った “安物&年代物”。ネックは曲がり、フレットは擦り減り 「左手指は痛くなる/音はビビる」 で弾きづらいことこの上ない。
     <古いギター>
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 それで、9月の誕生日を意識して自分への “プレゼント” という口実で、「アコースティックギター」を “新潮” することにした。
コロナ禍で楽器屋さんへ出かけるのも億劫なので、8月上旬にネットで注文。
 ところが、最初に注文したショップは “在庫切れ/メーカー取り寄せ扱い“ で1ヵ月経っても納期の見通しが立たない。これはダメだと、別のショップでアチコチ探したのが誕生日当日のこと。運よく一点限りの即納品を発見したので、前のはキャンセルしこちらへ再注文したところ、何と翌日に配達されてびっくり。

 新ギターはこれ。「ヤマハ FS820 ターコイズブルー」
B DSC07550 (2).jpg
       
 この “青色” が欲しかったので、探すのに苦労したわけだ。

 以前のはトラッドウェスタンタイプでボディが大きめなのに対して、今回のはフォークタイプで若干小さめ、ボディのクビレもやや深いため、とても弾きやすい感じだ。外観はピカピカで部屋に置いても映える。
肝心の “音質” も旧ポンコツに比べると、段違いに “いい感じ”。

 ついでに、小物類も購入。
評判の良さそうな仕様のものを調べ、 「スタンド」「チューナー」「カタポスト」「ワインダー&カッター」 の4点を入手。使ってみるとどれも期待を裏切らない品物で大満足。
B DSC07552 (2).jpgB DSC07553 (2).jpg
 で、何を弾くのか? 結局、若かりし頃弾き語りで楽しんでいた 『70年代のフォークソング』 中心ということになるが、かつての譜面の多くは所在不明、有ってもボロボロ。
で、往年の曲(歌詞・コード表)をネットで調べ、自分なりの譜面作りをして取り敢えず 「レパートリー」 は20曲くらいになった。
・かぐや姫 ・グレープ ・小椋圭 ・井上陽水 ・中島みゆき ・ビリーバンバン ・荒井由実...etc

 指弾き(アルペジオ、スリーフィンガーなど)主体だが、曲によりストロークも交えて といった感じだ、

 5か月間くらいチョコチョコ弾いてみて、ギターの方は往年の感触に結構近づいて来たけれども、「歌」 の方は加齢とともに声が出なくなってしまったのが何とも残念だ(音域、声量)。

 まあ、人様に聞かせるというよりは自身が楽しむ目的だし、たまに孫にでも聞かせて...という感じで暫く続けてみたい。後で振り返った時 「失われなかった1年」 ということになれば幸いだ。

水彩画-298 『盛夏のスケッチ(5)2020』

 8月最後のスケッチ会は、暑さがひと頃ほどではないにしてもやはり陽が高くなると結構厳しい。

 相変わらず “暑さをしのげる場所優先” ということで、近場の 「まきば公園」 へ行って、日陰を探して描こうということになった。


 「コロナ禍」 ということもあってか、例年の夏に比べると混雑はしていないが、やはり8月の観光牧場ということで、避暑客はそれなりに目についた。


 今回は、依然として “盛夏の・・・” と言える状況で描いたスケッチ1点を掲載する。


画題 『盛夏の牧場』 北杜市大泉町、 サイズ:A4


 「まきば公園」 には、今年は初夏(新緑)の頃に一度描きに来た。

 その時は上の方の駐車場に車を停め、しばし歩いて園内入口付近へ下ったところから、南側(下側)を見るような構図で描いた。しかし今回は、陽を遮ることのできる場所が必須ということで、下の方の駐車場に停めて、牧場内の通路内にある “東屋” の軒下を借りて描くことになった。


 ここからの眺めは、まきば公園のほぼ中央から上半分を見上げる構図になる。通路を右下の方まで下って行けば、背景に八ヶ岳を入れることが出来るわけだが、東屋の位置からはそれは望めない。

 随所に起伏があり白い柵が複雑に入り組んでいる様子は、デッサンがかなり大変だということは、経験上容易に察しが付く。さらに真夏の林は全域が深い緑に覆われ、彩色上の描き分けも大変そうである。


 ということで、正直言って “余り描く意欲” が盛り上がって来なかった。


 しかしながら、そういう “言い訳がましい“ ことを言っているようでは、このスケッチ会に参加する意味も薄れてしまう....、と、気を取り直すことにした。


B 盛夏の牧場a.JPG

       <同場所の写真>B DSC07532.JPG


留意ポイントとしては、

・夏の空の演出(実際はかなり雲が厚かった)
・牧草地エリアの彩色(実際よりも黄色っぽくする)
・密集する林群は大まかに捉える
・樹の影の部分のコントラストの加減


 意欲が今一つ盛り上がって来ない場合の対処法はどうすれば良いのか? なかなか難しい問題だ。

 一口に言えば “普段と異なる・以前と違う何かを、自ら探し・見つける” ということなのだろう。そういう発想・着眼点をいつも持てるようになれば、一つ上の境地に入ることが出来るのかも....

水彩画-297 『盛夏のスケッチ(4)2020』

 我が富士見町では、お盆を過ぎれば一気に秋の気配となるのが普通なのだが、今年はいつまでも暑さが続く。朝夕は20℃を下回り風もさわやかで大変気持ちよいのだが、日中は真夏の暑さとなる。残暑というよりは相変わらず “盛夏” といってよい状況だ。

 そんな中で8月3週目のスケッチ会はやはり “涼しさ” 優先の場所選びとなった。

 メンバーの一人から、佐久の 「松原湖」 はどうか? との提案があり、やや遠いけれどもこのスケッチ会では初めてで皆興味もある様子だったので、行ってみることになった。

 今回は “湖畔のスケッチ” 一点を掲載する。


画題 『盛夏の松原湖』 南佐久郡小海町、 サイズ:A4

 国道141号線を北進し、我々のテリトリーである野辺山高原を過ぎてしばらく走ると 「小海町」 に入る。ここはもはや佐久地方である。我が家のある富士見町からは、八ヶ岳連峰を挟んで丁度180度反対側に位置する町だ。

 このエリアには大昔の大地震によって天狗岳の一部が崩壊し、川が堰き止められて形成された湖沼が大小数カ所あるようだ。その内この 「松原湖」 が最も大きいということで、周囲には旅館・ロッジなどが点在し、ボート遊び・釣り などが楽しめる。蓼科方面の湖に比べて余り観光地化されておらず、自然林に囲まれた静かな佇まいなので、スケッチの題材としては悪くないと感じた。

 皆 “初体験” 故に 「スケッチポイントを何処にするか?」 しばし、湖畔を散策することになるのは自然の流れだ。奥に八ヶ岳を入れられる一角もあったが、結局湖畔のレストハウス、ボート、釣り人 などを点景として入れることのできる場所を選択することになった。

B 盛夏の松原湖a.JPG
       <同場所の写真>B DSC07523 (2).JPG
 留意点としては、

・全体として “夏の湖畔” の雰囲気を出す
  そのために
・青い空と白い雲による夏らしさを表現する
・夏の光の演出 ⇒ 中央部&右端の林の暗いエリアと、左奥の湖畔及び右側レストハウス周辺の明るいエリアを対比させる
・上記に合わせて、水面のコントラストも強調する
・ボート、釣り人、レストハウス などの点景描写は控えめにする



 時間の制約もあり、湖面と点景の彩色を描き切れなかったので、帰宅後白色絵具を使いながら仕上げをした。

 わざわざ遠くまで出かけて手間のかかったスケッチだったが、私自身何とかその “面目を立てられた” ように感じている...。


水彩画-296 『盛夏のスケッチ(3)2020』

 8月2週目のスケッチ会は、相変わらずの暑い日で正に “盛夏” そのものだ。
 おまけにこの日は “盆入り” の当日。八ヶ岳山麓一帯は、いよいよ車も人も普段の何倍もの混雑ぶり。

 「暑さと人ごみを避けられる適当な場所は?」 と皆で考えた結果、北杜市須玉町の奥まったところにある “渓流” に決まった。普段我々のスケッチ会がテリトリーとしている “大泉・清里エリア” からすると、車で30~40分もかかる “遠地” ではあるが、たまには良いだろうということになった。


画題 『盛夏の渓流』 北杜市須玉町 本谷川、 サイズ:A4

 須玉町の小倉という地域を抜けて北東方向へ登っていく県道23号線は 「瑞牆山」 に通ずる山道だ。途中 “湯治場” として古くから知られている 「増冨ラジウム温泉」 を抜け、さらに細い道を進むと渓流の美しい 「大谷川」 沿いに出る。普段は人気無くヒッソリとしているが、夏休み期間中は避暑客などで結構にぎわう場所だ。
 「クジラ石」 というポイントの近くに着くと、やはり数組の家族連れグループが河原でBBQなどをして楽しんでいた。それでも我々は何とか車を停める場所を探し、先客が居ない河原に出ることが出来た。

 この場所は随分以前に皆で描きに来た記憶がある。(後で調べたら、ちょうど5年前の今頃だった)
 そのころは渓流の描き方のコツが良くわからず、現場では絵としてまとまめることが出来なかったため、後日自宅でかなり時間をかけて再描した経緯がある。
 
 河原に出ると周囲は林に覆われ、冷たい水流としぶきがすぐ傍で音をたてている。さすがに暑さとは無縁の世界で、むしろ長時間そこに座っているとやや肌寒さを感じるほどだった。

 左側に大きな岩、右側に深く暗い林、中央に渓流を入れるという構図は従前とほぼ同じだが、左側の巨岩を大きめに入れた点がやや異なる。

B 盛夏の渓流.JPG
       <同場所の写真>B DSC07492 (2).JPG

 やはり、スケッチという短時間作業で渓流を細かく表現するのは難しい。それでも 「岩、林、水」の3要素をバランスよく描写するという要領が求められる題材だ。

 今回は、現場でザックリと描いて渓流の白く泡立つ部分は自宅で後入れして仕上げた。

 時間と気力が有ったら、これをサイズアップして9月中旬から始まる美術展(銀行ロビー展)への出展作品にしようか とも考えてはいるが...。

水彩画-295 『盛夏のスケッチ(2)2020』 & 『コロナ禍の夏』

【水彩画-295 『盛夏のスケッチ(2)2020』】

 梅雨が明けたら一気に真夏の暑さに見舞われている。西陽の当たる午後には、居間のエアコンを入れる日が多くなっている。

 7月は 「もう、雨はうんざり。早く梅雨が明けないかな...」 と願っていたのに、いざそうなってみると 「こんなに暑くては、外でスケッチも出来ない...」 と小言を言っている自身に気づく。人間というのはつくづく勝手なものだ。

 さて、いよいよ “望み通り” の 『盛夏のスケッチ』。今日は、第2弾として野辺山高原で描いた一点を掲載する。


画題 『盛夏の野辺山』 南牧村 野辺山、 サイズ:A4

 8月最初のスケッチ会は、見上げれば真夏らしい青い空と白い雲。気持ちは晴れ晴れだが、気温はグングン上がっていたので、いくらかでも涼しい場所ということで 「野辺山高原」 に出かけた。

 スケッチ会定番のスポットは標高1400mほどで風はさわやかではあるが、やはり直射日光を浴びながらでは15分と持ちそうにない状況。それで、いつも利用させてもらっている大型トラクター倉庫の軒先をお借りして、日陰に座って描くことになった。

B 盛夏の野辺山a.JPG
       <同場所の写真>B DSC07468 (2).JPG
 手前の高原野菜畑の状態は、絵要素としては今一つではあったが、

・グレー色に染まった八ヶ岳連峰の山影
・青白のコントラストの効いた夏らしい空
・青味が深く繁った中景の林
・左手前から奥へ連なる電柱列

 といった絵要素に着目して、何とかまとめた。

 とにかく、この時期は “暑さ” との戦いになるので絵の条件とういよりは “熱中症にならないような場所選び” を優先せざるを得ない。

 条件面からすれば、晩夏~初秋にまたこの一帯に来れば、より良い題材の場所を選ぶことも可能だろうと、期待をしている。

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【コロナ禍の夏】

 首都圏からの旅行・帰省を自粛する世情ではあるが、八ヶ岳山麓の避暑地エリアでは7月末頃から県外ナンバーの車が随分目立つようになっている。
 
 特にお盆の期間に入った先週末からは、地方道路の交通量が一段と増え、山や川の清涼スポット、飲食店、地元スーパーや直売所など、昼時には広い駐車場がいっぱいになるほどの混雑ぶり。報道番組等で 「GoToキャンペーンの対象に成る・成らない? 旅行や帰省は是か非か?」 と 日々議論されてはいるが、別荘を所持している人や毎年のように避暑に来ている固定客を中心に 「来たいから来る」「気を付ければ問題ない」 といった考え方なのだろう。
 
 せっかくの夏休みの過ごし方は人それぞれなので、我々がいろいろ言うべきことでは無い。但し、地元生活者の間では 「お盆期間中は、そうした場所に近寄らない/買い物も控える」 といった会話が朝夕の挨拶代わりに交わされているのも現実である。

 さて、今年の我家の夏は夫婦で “静かに過ごす” ことになりそうだ。今の状況では、首都圏の息子たち家族の「帰省自粛」はやはり致し方ない。

 我々は、毎年お決まりのお盆のタスクを粛々としていくことになる。

・お墓参り  ・精霊馬/牛飾り  ・仏壇掃除/お供え  ・迎え火  ・送り火

 例年、家庭菜園で採れた野菜を使って精霊馬/牛を作るわけだが、今回はたまたまタイミングが合わなくて、キュウリとナスが採れなかった(直前に食べてしまったか?)。というわけで、インゲン、ニンジン、ミョウガ、シシトウ といった、小ぶりの代用野菜で作ることになった。

B DSC07499.JPG
 何だか “可愛い感じ” に仕上がり、しばらく会うことのできない “孫の姿” を彷彿とさせられた。


水彩画-294 『盛夏のスケッチ(1)2020』

 長い梅雨がやっと明けた。8月にずれ込んだのは、記憶を辿れない程久々なことだ。

 早速、全国ニュースで連日のように “猛暑・熱中症注意” が報道されているが、我が富士見高原の暑さとしては、例年に比べれば過ごしやすいレベルだと感じている。

 さて8月に入ったので、さすがに今回からキャプションのお題目としては 『盛夏のスケッチ』 に変えた次第だが、内容としては梅雨明け直前に描いた里山の風景を一点掲載する。


画題 『梅雨空の里山(2)』 北杜市高根町村山、 サイズ:A4

 7月最後のスケッチ会は相変わらずの雨模様の日。描く意欲が今一つ盛り上がらない天気ではあったが、当月は既に2回も雨で流れていたので “決行” となった。

 標高の高いエリアでは小雨が降っていたので、高根町の里エリアに下って、何とか外で描けそうな田園地帯へ出向いた。
 ここは、西側に南アルプスを展望できるので例年何度か描く場所だが、この日は暑い雲に覆われて全く見えない。そこで、主題を “梅雨空と水田に絞る” という意図で描くことになった。

B 梅雨空の里山2a.JPG
       <同場所の写真>B0 DSC07450.JPG
 留意点として、

・上半分以上を空に割り当てて、思い切った彩色で梅雨空を描写する
・平らな水田に変化を持たせるため、“畔” を中央に大きめに入れる
・空とのバランスをとるため、水田の彩色は単純化する
・中景の民家群はデッサン主体で描き込み、彩色は控えめにする
・中景の林は、濃度差とタッチの違いで変化をつける


 これといった絵要素の乏しい風景ではあるが、遠・中・近景 それぞれの彩色描写の違いによって、何とか面白い感じのスケッチに仕上げることが出来たと感じている。


水彩画-293 『片倉館の秋(習作)』

 コロナ禍や豪雨・日照不足といった天候不順で人間界では多大な影響が出ている一方で、動植物の季節の移り変わりは確実にやってくる。

 我家周辺の7月後半の風物詩の一つは 「ヤマユリ」 の群生一斉開花。独特の甘い香りがあたりを漂う。
B IMG_4834.JPGB IMG_4824.JPG
 もう一つは 「ヒグラシ」。雨の日も晴れの日も、夕方の決まった時刻になると一斉に鳴き始める。この声を聴くと 「ああ、いよいよ梅雨明けして盛夏になるんだ」 と改めて気づかせてくれる。

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 さて、7月後半のスケッチ会は雨の日続きで “お流れ” が多かった。
 
折しも巷は  “コロナ第2派” 騒ぎで、地元でも不要不急の外出を控えている人が多い様子。
私自身も致し方なく “コロナ巣ごもり” 状態で、アトリエに籠って好きなことをする日々が続いている。

 そんなこんなで、今のうちに習作(いつも年末に開かれる美術/応募展を意識)に手をつけておこうと思い立った。今回は、そんな中の一点を掲載する。


水彩画-293 『片倉館の秋』 諏訪市 片倉館、 サイズ:A4

 諏訪市の諏訪湖畔にある 「片倉館」 は、諏訪地方の主要な観光スポットである。
大正から昭和初期にシルクエンペラーと称された片倉財閥によって、地域住民の構成・社交の場に供するため建てられた施設で、国指定重要文化財となっている。

私は数年前にも、ここを題材に習作を描いたことが有ったが、その時は独特な構造の建物を主題に描いていた。結果として、誰でもが描きそうな凡庸な絵になってしまったように思う。

 今回は、西側の入り口側から見た銀杏並木の “黄葉” を主体にし、片倉館そのものは点景として部分的かつ小さめに描くように試みた。
B 片倉館の秋1.JPG
     
留意した点として、

・低い目線から、銀杏並木を見上げるような構図
・そのために、紙面を縦置き
・銀杏の黄葉を多様な色彩で表現
・左奥から射し込む斜光による明暗づけ


一方、反省点として、
・建物上部にやや空が抜ける空間が欲しい
・プロムナードに若干の人影を入れる
・右端の門柱は無い方が良い


 こんな自身レビューによって、次の習作でさらに改善していければと思っている。

水彩画-292 『初夏のスケッチ(5)2020』

 7月中旬になっても、相変わらずの梅雨空。

 今回は、リゾートエリア 「清里の森」 内にある、森林公園で描いたスケッチを掲載する。


画題 『梅雨空の森林』 北杜市高根町 清里の森、 サイズ:A4

 200ヘクタールの県有林エリアに 別荘、ペンション、レクレーション施設が集約・整備されている 「清里の森」。夏場のこの時期、本来であれば都会からの避暑客が多く訪れる場所なのだが、コロナ禍の影響からかとてもヒッソリとしていた。

 森林公園には音楽堂など若干の施設があるが、基本的には芝地と森林が広がっているだけ。我々が普段描いている里山風景のように “全景・中景・遠景を構成する明確な絵要素” はほとんどない。こういう風景の場合、見たままを当たり前に描こうとしても、あまり面白いスケッチにならないということは我々皆感じている。
で...最近、先生が “樹木や林をザックリとぼかした感じで描写する” 試みをされているので、今回はそうした描き方をメンバー皆がトライしてみようということになった。

B 梅雨空の森林b.JPG
       <同場所の写真>B DSC07418 (2).JPG

私が留意した点は、

・梅雨空を上半分に広くとって、重く垂れこめた感じを表現する
・中景の林は樹木1本1本では無く、一連のカタマリとして捉える
・緑系の彩色はボカシを使って、シンプルに落ち着いた感じにする


 描いてみて感じたのは、

・絵要素の乏しい風景では、陰影描写がポイント(林の周囲)
・池面に写る樹影は、暗め(グレー系)にした方が良い
・水を多用するためボカシ技法は時間と共に色が沈むので、後で若干加色が必要

 我々にとっては新しい試みなので、コツを掴むのにはしばらく時間がかかりそうである。

水彩画-291 『初夏のスケッチ(4)2020』

 梅雨明けの見通しが立たない日々の中で、いつものスケッチ会は 「出来れば良し」 という状況が続いていた。

 今回は、6月最後と7月最初のスケッチ会で描いた2点を掲載する。


【作品1】 画題 『梅雨空の里山』 北杜市高根町東井出、 サイズ:A4

 高根町東井出の村山地区は、典型的な里山風景が広がっており、題材探しで困ったときの定番の場所。これまでにも何度も繰り返し描いている風景なので、今回は “梅雨空を主題にする” という意図で描くことにした。

B 梅雨空の里山b.JPG
       <同場所の写真>B DSC07370.JPG
 留意した点は、
・上半分程を “空” に割付し、手前の水田は1/5くらいに圧縮
・重くのしかかるような空(雲)が奥の山(茅ケ岳)にかかる様子の描写
・民家群はデッサン主体とし、彩色は最小限にする ⇒ ぼんやりした空との調和をとるため

 主題である “どんよりと被さるような梅雨空の雰囲気” は、それなりに表現できたと感じている。


【作品2】 画題 『初夏の避暑地(2)』 北杜市高根町清里、 サイズ:A4

 7月最初のスケッチ会も、今にも降り出しそうな梅雨空だった。

 困ったときの 「萌木の村」 ということで、今夏2度目の場所で題材探し。
 レストランROCKの駐車場に車を停めて、仲間はそれぞれ “何を描くか?” 個人の好みで探索することになった。 もう何度も来ている場所なので、私は従来描いていなかったアングルを探して、ROCKの直ぐ奥にある質素な建物を主題に描くことにした。人に聞いたところ、ここは 「陶芸館」 だったようだが、今は営業していないということだった。

B 初夏の避暑地2.JPG
       <同場所の写真>B DSC07395 (2).JPG
 建物は、色こそ地味だが造りはやや洒落た感じで好感を持てた。但し、周囲の樹木は初夏の枝葉が深く茂り、建物にしっかり覆いかぶさっている。こうした風景を絵にするのは骨が折れるのを、これまでの経験で私は承知している。
 デッサンでは当然主題の建物の構造を意識して時間をかけるわけだが、彩色はむしろ枝葉の緑の色分け・描き分けがポイントとなる。奥の建物の窓などを暗く落とし、周囲の緑を明るくするというコントラストで何とかまとめた次第。

アトリエ随窓-21 『災害の世紀(2)』

 コロナ自粛ばかりか、豪雨でも日常生活に影響を受けている。
 いくら梅雨時とは言え、3~4日に一度は晴れ間が出て一息つけるのが普通なのだが、今季は1~2週間ほども雨天が続く異常な状態。しかも、災害レベル級の強雨も...となると相当にストレスが溜まる。B DSC02466.JPG
(※唯一良いのは、暑くないのでエアコン・扇風機など冷房機器を全く使わなくてよいことくらい)

 九州から始まった今回の集中豪雨災害が東日本にも広がり、もはや日本全国どこで起きてもおかしくない。まさに “他人事ではない” という状況になってしまっている。

 6年前、このブログに私が投稿した記事で 「21世紀は 『災害の世紀』 になる可能性が大きい」 と書いた記憶がある。
当該記事 参考URL ⇒ https://hiromochan.at.webry.info/201408/article_5.html

 近年、毎年のように繰り返される 「集中豪雨」 をはじめ 「大型台風」「大地震」なども増加傾向、その地に長年住んでいる人達でさえ “過去に経験したことのない” という大規模災害が頻発している。今年最大の災事となっている 「新型コロナウィルス感染」 も広い意味で、大きな “災害” だと思う。
 正に 『災害の世紀』 そのものと言って良いではなかろうか。
 
 この状況では、政府や自治体の緊急対策予算はいくらあっても足りなくなってしまう。巡り巡って結局は、国民への税金徴収という形で財政の帳尻を合わせるしかなく、経済へのダメージは増すばかりだ。
 
 今の地球規模の異常事態を指す表現としては、一時的現象をイメージさせる 『地球温暖化』 ではなく、 『気候変動』 という定常的なシフトを意味する呼び方がふさわしいと言われている。つまり、もうかつてのような “想定範囲内のリスクの下での日常生活” に戻ることは出来ないということだ。  
 となると “毎年繰り返される” あるいは “年々ひどくなる” であろう災害に対して、人間社会としては一体この先どのように対処していくべきなのだろう。

 温暖化カーブを若干遅らせる/緩やかにする施策、あるいは想定を一段階上げた治水工事程度の努力は出来るのだろうが、自然現象を抜本的に変えるようなことは、人間には到底難しい。
 となれば現実的には 「with Corona・新しい生活様式」 と同様に 「with Disaster」 という発想が必要ではないだろうか。その場合、選択肢は一つ二つではなく 多様性/diversity が求められるはずだ。
 行政サービスの限界もある中で、例えば “どこに住むのか?” “万一の時にどう対処するのか?” “仕事はどうなるのか?” “他人様に迷惑をかけないか?” といった一人一人のリスク管理の問題になる。

 最近の超人気TV番組 「ポツンと一軒家」 で良くある事例は、 “高齢のご夫婦や独り住まいの山深い家”。共通するのは、その土地・家への深い愛着だ。先祖代々受け継がれてきた家と田畑・山、自然。町に住む人間から見れば信じられない程の不便な環境にあっても、ご本人たちは不便さを感じておらず、むしろ “至高の幸福感” を抱いて生活している。
 こうした環境で暮らしている方々が大災害にあったらどうなるのか? 元より 『ポツン...家』 に住むことは、危険な山道を行き来する、獣に襲われる、土砂崩れが多い など平時でもリスクだらけである。それでも、ご本人が選んだ “幸福な暮らし“ なので、何かあったら 「その運命を受け入れる」 「その覚悟はある」 ということだと私は思う。
 これとは対極の大都会で暮らすということは、 “至高の利便性” の日常を享受する一方で、人が多すぎる “超過密環境” 故の様々なリスクに晒されているという懸念がある。高度に発展した社会インフラは、一旦マヒしたら不便極まりないという 「諸刃の剣」 でもある。

 このように考えてくると 「with Disaster/災害リスクとどう向き合うか?」 という問題は、最終的には 「日常生活の幸福感と危険性についてどう考えるのか?」 という “個人の生き方の選択” の問題 と、感じている昨今である。 

水彩画-290 『初夏のスケッチ(3)2020』

 “遠くの山が見えない“ 相変わらずのどんよりとした梅雨空の日、いつものスケッチ会は清里の避暑地リゾート 「萌木の村」 で題材を探すことになった。 


画題 『初夏の避暑地』 北杜市清里 萌木の村、 サイズ:A4

 「萌木の村」 は清里一番の避暑リゾート施設である。例年フィールドバレエが開かれるプロムナード広場(まだ舞台装置の準備は始まっていなかった)で題材を探すことになった。このエリアでは過去に何度か描いているが、従前はショップをズームアップして描くケースが多かったように思う。
 今回は、高台にあるメリーゴーランドへ登っていく石垣を一段上がった辺りから、視野を広くとってプロムナード全体の雰囲気を出すような感じで描くことにした。

B 初夏の避暑地a.JPG
       <同場所の写真>B DSC07350 (2).JPG
 
留意点は
・ショップの建物は、小さめにして構造線をきちっと出す
・周辺に繁る樹々の深い緑の描き分け
・点景(人、車)による避暑地らしい演出


 特に、樹々の緑については “デッサン線を出して、淡彩風に仕上げる” 描き方に心がけた。
 
 なお参考のために、以前(6年前)に同じショップをアップで描いたスケッチを掲載しておく(2014年7月)。

B 萌木の村 ショップ 1a.JPG


水彩画-289 『初夏のスケッチ(2)2020』

 6月のスケッチは何よりも “その日の天気” が重要である。
梅雨時ゆえに雨でも文句は言えないし、仮に降られなくても曇天で高い山を見通せないのも致し方ない。かと言って、ひとたび晴れると夏の日差しの熱さとの戦いとなる。ということで、どう転んでも “絶好のコンディション” は期待できないわけだ。

 今回は今にも降り出しそうな曇天下で、何とかギリギリ持ち堪えて道路わきで描いたスケッチを一点掲載する。

画題 『初夏の古民家』 北杜市高根町 箕輪、 サイズ:A4

 高根町箕輪地区は古くからの農家集落が多いところが、かつて庄屋だったという 「大きな古民家」 の前で描くことになった。ここは、これまでにも何度か題材にしたことがあるので、従前とはやや嗜好を変えてみた。

B 初夏の古民家a.JPG
       <同場所の写真>B DSC07326 (2).JPG
 今回の留意点は “全体をイラスト風にアレンジ” するということ。
具体的には。
・建物や樹々のデッサン線を明確に出す
・彩色は控えめ(淡彩風)にする
・手前の水田は描き込まない

 比較のために <2年前に同じ場所で描いたスケッチ> を以下に掲載

B 古民家と水田.JPG

 普通に描くとこうなる訳だが、いつも同じでは作家自身も 「面白くない」 という心境になる。
長年描き続けていると 「マンネリ化を防ぐ」「モチベーションを維持する」 ための工夫が必要になるわけである。


新型コロナ事情雑感(13) & 水彩画-288 『初夏のスケッチ(1)』

【新型コロナ事情雑感(13) / 給付金】

 我家では10日ほど前に 「定額給付金」 が入金された。5月末に郵送で申請書を出してから、2週間ほどで支給されたことになる。町内の友人、知人も殆ど入金されたと聞くので、人口一万数千人のこぢんまりとした田舎町ゆえ、行政手続きに大きな混乱は無かったのでは... と推測している。

 ニュースによると全国の支給実施状況は未だ30%代で、申請書も届いていない自治体も多いとのこと。人口の多い都会では特に遅れが目立つようだ。

 持続化給付金なども含めて “オンライン申請のトラブル” が遅れの主要因の一つになっていると聞く。こういう実態が明らかになると、改めて日本という国は 「IT化後進国」 だとガッカリする。マイナンバーカード、住民基本台帳、確定申告 など国が展開するシステムは数多あるけれども、残念ながら殆どが一昔前の “行政縦割り” のしがらみから抜け切れていない感がある。

 我が家では未だマイナンバーカードを持っていない。それは 「現時点で利用するメリットを感じないこと」「セキュリティに不安があること」「発展途上のシステムで、今後何度か変更が予測されること」 などである。個人情報保護の観点でも疑念を持っている国民は多いと思うので、国民目線で基本コンセプトを見直す必要があるのではなかろうか?
 
 ところで、我家のある富士見町では6月に入って直ぐ、全町民に 「地域活性化クーポン券」 が配布された。少額ではあるけれども、こういう目に見える支援の形は大変有難い。早速地元の商店や食事処等で利用をはじめている。

 今後は、政府が予算化した 「Go Toキャンペーン」 に期待している。個人的には、旅行クーポン・補助金などをもらえたら嬉しい。施策が決まったら、今度こそスピード感をもって末端まで早く届くように...と願いたい。

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【水彩画-288 『初夏のスケッチ(1)』】


 しばらくお休みしていた 「八ヶ岳水彩画倶楽部」 のスケッチ会に6月から復帰・参加するようになった。
 コロナ自粛中の一人スケッチではマイペースで行動することで、感性・技巧共に自身の内部留保になったようにも思うが、久々に仲間と描いてみると新たな気づきや刺激が持てると感じた次第。

 今日はそんな状況下で描いたスケッチ一点を掲載する。


画題 『初夏のまきば公園』 北杜市大泉町 まきば公園、サイズ:A4

 6月最初のスケッチ会は、毎年この時期の定番となっている 「まきば公園」 に出かけた。八ヶ岳南麓の標高の低いエリアでは既に新緑の旬は過ぎてしまっている時期、ここではまだ一部で明るい新緑を期待できる。

 公園の上部から南側を望む場所で描くことになった。ちょうど一年前もほぼ同じ構図で描いている。異なるのは、今回は空が薄曇りで遠景に富士山を臨めないという点だ。勿論、富士山は有難い絵要素ではあるが、目線がそこに囚われてしまうというデメリットもある。つまり 「有って良し、無くて良し」 の典型的事例と言えると思う(参考に、新旧スケッチ比較掲載)

B 初夏のまきば公園.JPG
       <同場所の写真>B DSC07289 (3).JPG
       <昨年のスケッチ>B 初夏のまきば.JPG
今回のスケッチで意識した点は、

・富士山の見えない分、まきばの新緑の描写に集中する
・右側の、枝葉が白い木の描写(ヤマナシかヤマボウシ?)
・近い木と遠い木の彩色の仕分け
・手前の柵を省く


  自身としては、昨年よりも今回のスケッチの方が気に入っている。


新型コロナ事情雑感(12) & 水彩画-287 『修道院の朝』

【新型コロナ事情雑感(12) / 新しい生活様式】


 コロナ感染の第一波が収まり、しばらく小康状態といえる中で身近な話題は 「新しい生活様式」 を一人一人がどう取り入れていくかということだろう。
 考えてみれば、田舎暮らし・リタイア生活者の我が身としては、元より「3密」リスクは大変少ない環境であった。従って、今までの日常生活スタイルに少々の工夫・気遣いをすれば、それほど無理なく 「新しい生活様式」 になるわけだ。

6月に入ってから、徐々にではあるが以前の日常が戻りつつある。
・学習塾手伝い ⇒ 高機能マスク着用、体温、距離
・スケッチ会 ⇒ 仲間に近づく時はマスク
・通院 ⇒ 必要最小限、体温&マスク及びクリニックの所定の取り決め遵守
・買い物 ⇒ 近場、マスク、アルコール消毒
・ゴルフ ⇒ 回数最小限、会場のルール遵守

今後段階的復活を検討
・自治会公民館活動 ⇒ 頻度、人数限定
・美術会活動 ⇒ 行事中止、内容縮小・見直し
・太極拳サークル ⇒ 当分再開見込み無し
・アクアジム、日帰り温泉 ⇒ 当分自粛、状況により判断

まあざっとこんな感じではあるが、やはり一番影響が大きいのは、人とのコミュニケーションが閉ざされることだ。
・会食・飲み会
・首都圏の家族との交流
・旅行

 本来、人は “群れる” のが好きだ(動物も皆同じ)。特に若い人などそれが生き涯と言ってもよいだろう。「接待を伴う飲食店」が必須かどうかは良く分からないが、仲間や家族と顔を突き合わせてのコミュニケーションは 「人間の暮らし」 には不可欠だ。ある意味、仕事は「テレワーク」で済ませても、近しい人との ”face to face” は容易にオンライン置き換えが出来ないはずだ。
 旅行(県を跨ぐ)は、たまに非日常に身を置くことで心身をリフレッシュ出来る貴重な機会だ。異常なほどのインバウンド依存に戻るのはどうかと思うが、旅行・観光業界が復活しないと経済が回らないは間違いない。
 ワクチン開発がされない限り経済活動の完全復活は難しいことは承知しているが、今後 「新しい生活様式」の現実的・段階的な見直しも必要ではないかと感じている。

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【水彩画-287 『修道院の朝』】

 5月はコロナ巣籠り環境の中でスケッチを数多く描く傍ら、美術展に出展するための習作も何枚か描いていた。今回は、その内の一点を掲載する。


画題 『修道院の朝』 富士見町富士見ヶ丘、 サイズ:F6

 私は自宅周辺を日常的にウォーキングしている。最近は6コースほど自身で設定し、日替わりで順番に回るようにしている。
我が家から徒歩で4,5分のところに 「旧トリニティ修道院跡地」 がある。今は建物・庭など一切がそのまま町の別団体に管理が譲渡され、研修施設として時々利用される程度のため、普段は人影の無い森閑とした佇まいとなっている。

 鬱蒼とした林に囲まれたこの小径に差し掛かると、夏でも涼しく感じる。また、春は新緑、秋は紅葉が大変美しくウォーキングにはピッタリの場所で、私のお気に入りポイントの一つになっている。

B 修道院の朝.JPG
       <同場所の写真>B0 IMG_8480 (2).JPG
 この絵の主題は “5月の朝、新緑の枝葉の間から射し込む陽の光” である。

 明るい陽光によって右側の赤レンガの壁には樹影が映り込む。道路脇の敷地には “鐘” が残っており、かつて修道院であったことを彷彿とさせる。完全に人里離れているわけではなく、私のようにウォーキングや犬の散歩をする近所の住民もいる。そんな人の姿を挿入して絵に情感を持たせるよう工夫した。

 実は今後しばらく “林と光” をモチーフにした作品をシリーズ的に描いていこうかと思う
 見た儘を短時間で描く里山のスケッチは、それ自体が楽しい時間を過ごすことができる。一方で 絵を描くもの(作家)としては、現実の風景にとらわれず一つのモチーフを心象風景として表現していくことも重要だと考えている。緑に囲まれたこの地に住む者として、極めて自然な流れではあるが...

水彩画-286 『薫風のスケッチ(4)2020』

 五月も後半になると、初期の頃に比べて新緑の色合いは一律に深くなっている。もはや、山肌の微妙な色彩変化を主題に描くのは望めない時期なので、水田との組み合わせた題材にシフトするようになる。

 今回は、そういう狙いで描いたスケッチ2点を掲載する。


[作品1] 画題 『薫風の上蔦木』 富士見町境 上蔦木、 サイズ:A4

 信濃境の旧甲州街道(現 国道20号線)沿いに、古くからの宿場町 「蔦木(ツタキ)宿」 がある。東西が山に挟まれたわずかな底地に、一時代前の雰囲気の残る集落が街道に沿って細長く連なっている。
 この集落と水田の組み合わせで描いてみたいと考えたが、集落の中に入ってしまうとダメなので、裏手の山に通じる道路を登って一段高いところに出る。すると “手前に水田” “中景に宿場の集落” “奥に新緑の山” というイメージ通りの題材場所が見つかった。喜んで一枚描くことになる。

B 薫風の上蔦木.JPG
       <同場所の写真>B DSC07170.JPG
 先週までのスケッチとは異なり、緑系の色彩をやや抑え気味にした。どちらかと言うと、全体の構図と水面への反映を重点に...という意識で描いた次第。


[作品2] 画題 『薫風の井戸尻』 富士見町境 井戸尻、 サイズ:A4

作品1と同様に、信濃境エリアでスポット探しをした際に 「井戸尻」 という縄文遺跡のある付近でいい感じの水田風景を見つけた。
 まだ代掻きが始まったばかりで、タイミングとしてはやや早かった感はあるが、それでも周囲のロッジ風民家や奥の山影などが部分的に水面に映っている
 このエリアはJR信濃境駅から徒歩圏内ではあるが、周囲が山に囲まれて棚田が広がる風光明媚な場所であるためか、洒落たハウスを建てて暮らしている県外からの移住者が多いようだ。
 そんなイメージを醸し出せるように意識して描いたスケッチである。

B 薫風の井戸尻.JPG
       <同場所の写真>>B DSC07194.JPG
 耕運機の耕した筋跡に沿って、ところどころ土が見え隠れする様は、描写が大変難しいものだと感じた。

水彩画-285 『薫風のスケッチ(3)2020』

 今週は県境(長野県と山梨県)付近で描いた新緑のスケッチ2点を掲載する。


[作品1] 画題 『新緑の大武川』 富士見町落合 神代、 サイズ:A4

 我家から車で国道20号線を10分ほど南下すると、山梨県との県境エリアに入る。神代という地域から釜無川を挟んで対岸には、山梨県の最北となる 「大武川」 という集落が見える。急こう配に立ち上がる裏山は “広葉樹・針葉樹の埴生バランス” が大変良く、春の新緑・秋の紅葉シーズンはその美しさに目を奪われる。ということで、近年は私のお気に入りのポイントの一つとなっている。

 今回のスケッチは、以前描いたものよりもややズームアップしてみた。

B 新緑の大武川.JPG
       <同場所の写真>B DSC07081.JPG
 さらに、新緑の山肌を効果的に表現するため 『グリザイユ技法』 を使った。但し先週の作品と異なり、陰影をつける手段として絵具ではなく “グラファイト鉛筆” によるデッサンで行ってみた。
       <デッサン完了時点>B 新緑の大武川(デッサン).JPG
 絵具と比べて、“手軽で作業時間が早い” というメリットがある一方で “彩色全体との馴染みや質感がやや落ちる” というデメリットもある。まあ、スケッチという位置づけからすればこれでも十分と言えそうだが...。 


[作品2] 画題 『新緑の国界』 富士見町境 上蔦木、 サイズ:A4

 作品1の場所からさらに数分南下すると 「国界(こっかい)」 という名前通りの県境地域になる。ここの信号から東側の山へ登っていく県道は小淵沢町へ続いている。
 この付近の道脇に車を停めて田園エリアを散策する。丁度、田に水が入り 「代掻き」 が最盛期であった。以前、ここの坂の上の方から遠景で描いたことが有ったので、今回は一枚の田をアップして、裏山の新緑と水面への反映をテーマに描いてみた。

B 新緑の国界.JPG
       <同場所の写真>B DSC07095.JPG
 新緑の彩色については、陰影を重点にして絵具によるグリザイユ、彩色全般はやや地味にしてみた。やはり、水面の微妙な映り込み表現が難しいと感じた。

水彩画-284 『薫風のスケッチ(2)2020』

 先週に続いて、北杜市白州町付近で描いたスケッチ2点を掲載する。


[作品1] 画題 『新緑の白州1』 北杜市白州町白須、 サイズ:A4

 「道の駅はくしゅう」 の駐車場から裏手(西方向)に歩いていくと広々とした畑地があり、その向こうに南アルプスが連なっている。連峰の右手には 「甲斐駒ヶ岳」、やや左手には 「鳳凰三山」 が展望できる。ここに立ってスケッチのアングルを模索した時、題材候補として真っ先に目につくのは近くに迫る甲斐駒ケ岳だ。 
 しかし、“手前の田園や民家群” また “新緑に映える中間の小山” といった絵要素のバランスが良いのはむしろ鳳凰三山方向だと考えて、今回の画角を選択した。

B 新緑の白州1.JPG
       <同場所の写真>
B DSC07005.JPG
 このスケッチの主題は “中景の新緑” である。
 それを効果的に表現する手段として 「グリザイユ技法」 を試してみた。ブロッコリー状の樹影を描き分けるため、彩色の最初の段階において暗めの色で細かに “影” をつけていく技法だ。この下塗りが乾いてから、緑系の数種類の色を大まかに重ねていくことで、色を濁らすことなく立体感を出せるという訳だ。
 自身はまだ十分手慣れていないが、普通に彩色してから影付けするよりは “いい感じ” に仕上がるように思う。


[作品2] 画題 『新緑の白州2』 北杜市白州町鳥原、 サイズ:A4

 「サントリーウィスキー・白州工場」 のやや北側にある 「荒田」 という信号から小淵沢方面に通ずる県道がある。この付近から南西側を見ると、やはり南アルプスが良く眺望できる。作品1と異なるのは、手前に水田が広がっていること、点景になりそうな形の良い民家が沢山並んでいることである。
 従って、作品2では中間山地の新緑よりも、むしろ “代掻き作業中の水田” と “民家群” を主題とし、背景に南アルプスを入れるという考えで描いてみた。
B 新緑の白州2.JPG
       <同場所の写真>B DSC07032.JPG
 全体の雰囲気としてソコソコまとまっているとは思うが、まだ水田の水が入り始めたばかりで、周囲の映り込みが無い “泥田” の描写は難しいものだと感じた。

水彩画-283 『薫風のスケッチ(1)2020』

 5月連休に入ると、八ヶ岳の里山エリアは一気に木々の若葉が芽吹き、色とりどりの新緑が目に眩しい程になる。私にとって、一年の中で最も “描く意欲” が湧き出るのがこの時期である。

 これからしばらくの記事は、新緑風景のスケッチを掲載していこうと思っている。

『薫風のスケッチ』 シリーズ第一回の今日は、白州町エリアを題材にして描いた2点を掲載する。

 国道20号線沿いにある 「道の駅 はくしゅう」 には、野菜や食料品などを時々買いに出かける。ここから国道を挟んで向かい側(東側)は、釜無川の河川敷が広がっており見通しの良い水田地帯となっている。国道を走りながらこの風景を眺めると、視界が開けて大変すがすがしい気分になる。

 緩やかに下っていく水田エリアの先には農家集落があり、その裏手には 「七里岩」 と呼ばれるほぼ垂直に切り立った段丘が続いている。以前から、この七里岩を背景にした眺めを題材にしたいと思っていたので、最も絵になりそうな新緑のタイミングで描くことにした。


[作品1] 画題 『新緑の七里岩1』 北杜市白州町白須、 サイズ:A4

B 新緑の七里岩1.JPG
       <同場所の写真>B DSC07014 (3).JPG
 作品1は、やや南寄りのアングルで選んでみた。
 七里岩にはところどころ洞穴のようなものがあるので、その一つを入れることにした。また、左から斜めに迫る崖と、若干奥に続く右側の崖の交錯する位置を選んだ。手前には、密集している民家を入れる構図だが、手前の田んぼは控えめにカットした。

[作品2] 画題 『新緑の七里岩2』 北杜市白州町白須、 サイズ:A4

B 新緑の七里岩2.JPG
       <同場所の写真>B DSC06993 (2).JPG
 作品2は、目線を90度北寄りに向けて、右側から奥へ斜めに連なって行く崖を捉えるようにした。ややズームアップしているので、民家群も作品1より大きめとなったが、形の良い日本風家屋が多いのでまとめ易かった。

 何れものスケッチも、主題は崖に群生する “新緑” である。一斉に芽吹き始めるこの時期は、数種類の色合い(淡黄、淡緑黄、淡青緑、濃青緑、淡紫茶、淡桃、淡灰 など)が、ブロッコリー状に連なっている。  

 実は、過去何年もこのパステルカラーのような淡い色彩を表現しようと努力をしてきている。少しずつ進歩はしているとは思うが、なかなか思うように描けないでいる。微妙な色彩と陰影の両面の描写が求められる難題の一つである