水彩画-262 『晩秋のスケッチ(2)』

 11月最後のスケッチ会は、周囲の紅葉がもう殆ど終わっている状況の中で 「それでも何処か残っていないか?」 と、山麓の低い地域まで下って描いた “晩秋のスケッチ” を1点掲載する。


画題 『晩秋の里山2019』 北杜市高根町箕輪地区、サイズ:A4

 雲が多く肌寒い11月下旬の日、いわゆる八ヶ岳山麓エリアの南端にあたる 「高根町箕輪地区」 へ出かけた。ここは “近景に階段状の田園” “遠景に八ヶ岳” “中景に形の良い林と民家群” といった里山風景の条件が整っている。また、道沿いに何とか車を停められるということで、天気に係わらず春と秋に良く描きに来る場所だ。
 道の反対側には、今ではこの付近でも希少となっている大きな古民家があるが、この日は車の中から八ヶ岳方向を望むアングルで描くことにした。
B 晩秋の里山a.JPG
       【同場所の写真】B DSC06454.jpg
 
 留意した点は、

・主題である、晩秋の枯れたような紅葉の色合いの表現
・手前から奥へ続く田んぼのザックリした描写(描き込み過ぎない)
・雲がかかって半分くらいしか見えない八ヶ岳とどんよりとした空の描写

 今回は何とか “晩秋” のスケッチと言えそうだが、暖冬傾向とは言え12月に入るともはや “初冬” のイメージになる。我々のスケッチ会も、気持ちの良い季節からいよいよ “苦行のような季節” に入って行くことになる。


<余談:ケーブル類の補強の一策>

 スマホの充電ケーブルやPCの電源ケーブルなど、長年使っていると熱や外部力などによる経年劣化で被覆が剥がれてくることが多いです(色が変化してきたら劣化が始まっている)。そのまま放置すると、断線・ショートなどを起こし使用不可となってしまいます。絶縁テープなどを巻き付けるという簡易的な補修は出来ますが、それも直ぐに剥がれてしまうとう欠点があります。

 そこで私が考えた補修方法を紹介します。『細紐を巻き付ける』 という方法です。
 被覆が剥がれ易いのは、たいてい接続部に近い ”首(ネック)”の部分です。そこへ、太さ1~2mm程度の紐(例:タコ糸のようなもの)をきつめにぐるぐると巻き付けるという方法です。

B IMG_8172.jpgB IMG_8173.jpgB IMG_8174.jpg
 この補修品をしばらく使っていますが、ケーブルのネック部強度がアップして結構長持ちしそうです。よろしかったら、試してみてください。




水彩画-261 『第六回 諏訪を描く展』 入賞

 恒例の 『諏訪を描く展』 が今年も 「諏訪ガラスの里美術館」 で行われました(期間:11/23~12/1)。

今年で第六回となりますが、私は第一回から毎年出展させていただいています。諏訪地方でもトップクラスの綺麗な美術館で、希望者誰でも漏れなく展示していただけるというオープンなやり方が大変気に入っています。
B IMG_8159.jpgB IMG_8163.jpgB IMG_8161.jpgB IMG_8162.jpg
今回図らずも、私が出展した作品が “人気投票第3位” という大きな賞をいただくことができました。
主催者側発表によると
・出展作品総数: 約90点
・来館者延べ数: 約4000人
・人気投票総数: 2390票
・入賞者: 人気投票上位6名 および 各賞15名
という内容です。

 私の作品に投票していただいた方々に、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

表彰式に参加した際、主催者や関係者の皆さんからお聞きしたご意見をザックリまとめてみました。

・回を重ねるごとに、作品のレベルが高くなり充実して来ている
・新しく立ち上げたイベントというのは、おおむね数年で曲がり角を迎え、たち切れになるケースが多いが 『諏訪を描く展』 は盛り上がり・気運が維持されている
・諏訪地方の観光発展に確実に寄与している
・今後も長く継続していきたい

という、前向きな声が多かったです。

私自身も、このイベントが続く限り今後も出展していきたいと思います。ただし、毎回同じような絵というわけにいかないので、回を重ねるほどに視点を変えた  “題材探し” に苦労するようになるのは覚悟しなければなりません。

最後に、私の受賞作品を以下に掲載いたします。

画題: 『湖畔に佇む(蓼科)』 サイズ:P10

B 湖畔に佇む(P10) (2)C2.jpg

 蓼科地方には幾つかの湖沼が点在していますが、どこか特定の場所ということでは無く “蓼科高原の心に響くような情景” を思い浮かべて描いてみました。

水彩画-260 『晩秋のスケッチ(1)』

 11月も後半に入ると秋も深まり、さすがに紅葉も見ごろを過ぎて草木の色合いは “枯れた感じ” になってくる。一方、この時期から屋外でのスケッチ作業は “寒さとの戦い” となる。

 今回は、たまたま天気が良く風も余りなかった日に外で描いたスケッチを一点掲載したい。


画題 『晩秋の赤岳』 北杜市大泉町、 サイズ:A4

 大泉から 県道/北八ヶ岳公園線 を清里方面へ抜ける途中に 「八ヶ岳高原大橋(通称:黄色い橋)」 が架かっている。この巨大な橋の東側に駐車場があり、ここから観る八ヶ岳とその下に続く渓谷は雄大そのものである。

 これまでにもこの付近で何度か描いたことがあるが、例によって紅葉の時期は色合いをまとめるのにとても苦労するポイントでもある。

 今回は、全体の半分くらいが既に葉が落ち “冬枯れ” の状態となっていた。正直、余り描く意欲が出そうもない景観ではあるが、先生から 「盛りの頃よりも、このくらいの(枯れた)色合いの方が、むしろ絵にし易いはず」 という意見をいただいて、各自思い思いの場所に陣取って描くことになった、
B 晩秋の赤岳ac.JPG
       <同場所の写真>B DSC06432c.JPG

 私が留意した点は、

・ 中間に広がるカラマツ林の黄色を主題にする
・ 渓谷下部の暗い感じを表現する
・ 画面左から右に続く谷が赤岳の裾野のエリアへと目線を導くように意識する
・ 八ヶ岳連峰の彩色は、やや控えめにする


年内はしばらく、晩秋から初冬の景色を描くことになるわけだが、いつもながら題材探しに苦労する時期である。

水彩画-259 『紅葉のスケッチ(3)/秋色の里山』

 このところ、スケッチ会の日はいつも天気に恵まれている。10月に雨がさんざん降った反動か、あるいは近年良く言われている “季節移動の一か月遅れ” という現象か いろいろ考えてしまう。

 いよいよ秋も深まる11月中旬。八ヶ岳山麓の標高の高いエリアの紅葉は既に終わり、やや下った里山エリアが見頃を迎える。
今回は、大泉町南部の田園エリアで描いた一点を掲載する。


画題 『秋色の里山 2019』 北杜市大泉町西井出、 サイズ:A4

 例年、季節ごとに一度は訪れる定番の田園エリア。空は秋晴れ、八ヶ岳も南アルプスもクリアに見える日ではあったが “紅葉が主題となるアングル” としては、むしろ茅ケ岳方向の中景に広がる林とロッジ風建物が良いということになった。

 何年か前に、車の中から同じ場所の紅葉を描いた記憶がある。今回は、若干風が気になるが何とか外で描けそうだったので、アングル選択には制約がない。私の選んだのは、

・3~4軒並んでいるロッジ  ・遠景の茅ケ岳  ・主題の紅葉林

のバランスの最も良さそうな構図。
B 秋色の里山a.JPG
       <同場所の写真>B DSC06413.JPG
 
 工夫(脚色)した点は、以下の2点。
・遠近感を強調するための田の畔 ⇒ 角度と位置を一部変更
・紅葉林の色具合 ⇒ 統一感を出すためのベース色(橙黄系)の下塗り

 何処にでもありそうな平凡な里山風景なだけに、主景(紅葉)と点景(ロッジ、山、田)のバランス(色合い、タッチ)が難しいと感じたスケッチだった。


水彩画-258 『紅葉のスケッチ(2)/秋色のナチュラルガーデン』

 11月は爽やかな秋晴れの日が多くなっている。遅れていた紅葉もやっと見頃を迎えたが、色合いは鮮やかさに欠ける。7月と10月の天候不順の影響と思われるが、いきなり茶色になって直ぐに落葉してしまう樹が多いように感じる。

そんなマイナス面のある環境ではあるが、11月初旬のスケッチ会は清里一番の観光施設である 「萌木の村」 エリアで紅葉の風景を描くことになった。


水彩画-258 『秋色のナチュラルガーデン』 北杜市高根町清里、 サイズ:A4

 「萌木の村」 の北側にあるレストラン 「ROCK」 と 南側にある 「オルゴール館」 との中間に広がる林間施設群エリアは 「ナチュラルガーデン」 と呼ばれているようだ。
 メリーゴーランド、カフェ、ホテル、ショップ、野外劇場 などが点在し林に囲まれたプロムナードによって周遊出来るようになっている。

 夏場は青く茂った樹々に視界が遮られ、描くアングルを探すのにナカナカ苦労するが、秋になると適当に枝葉が空いて、かつ色が多彩になり “絵になる景色” が多くなる。

 今回は、ROCKからやや下ったガーデンの一角に腰を下ろし、そこから斜め上を見上げてロッジ風建物(何の施設かは不明)と、手前のガーデンの雰囲気を描くことになった。

B 秋色のナチュラルガーデンa.JPG
       <同場所の写真>B DSC06360.JPG
 留意した点は、

・手前の 石垣・階段・藤棚 などをきちっと描き込む
・奥の建物は主題では無いので、小さめに捉える
・主題である紅葉の樹々を “秋らしさ” を意識して彩色する

 私の悪い癖で、樹々の色を重ねていくうちに色を濁らせてしまう傾向がある。淡い透明水彩においてコントラストは当然必要ではあるが、“濁る” 一歩手前で止めることがポイントだと感じている。

『二人展 始まる』& 『水彩画-257 紅葉のスケッチ(1)2019』

【二人展のご案内】
 今週から、私の絵の友人(O氏)と 『二人展』 を始めました。次第は下記の通り。

☆ 展示テーマ:
  『八ヶ岳山麓の四季を描く』
  八ヶ岳高原を渡る四季の風を感じながら 年間を通じて里山の風景を描いた作品展です

☆ 展示規模: O氏が油彩の風景画(13点)、私が水彩のスケッチ(32点)及び風景画(5点)

☆ 期間: 令和元年 11月5日(火) ~ 12月6日(金)
          ※ 平日のみ 9:00 ~ 15:00
☆ 会場: 諏訪信金 富士見東支店 エントランスロビー(西友 富士見店  横)
B IMG_7977.JPGB IMG_7971.JPGB IMG_7973.JPGB IMG_7976.JPG
 これまで、美術会会員の展示会やスケッチ会仲間のグループ展などを何度も行ってきましたが、いわゆる “個展” のような形での展示機会はありませんでした。私がリタイアとほぼ同時に水彩画を始めて何年か経ちますが、その間毎週のように描き続けた “小サイズのスケッチ” が相当数溜まっております。
各美術展出展用に描くやや大きいサイズの絵と異なり、スケッチ(A4サイズ)は普段人様に見ていただく機会がなかなかありませんでしたので、それらを中心にまとまった数を展示させていただきました。

皆さま、お近くにお越しの節は是非ご覧ください。


【水彩画257 紅葉のスケッチ(1)2019】

画題 『秋色の野辺山高原』 野辺山高原、 サイズ:A4

 天候不順で殆ど秋の色付きも進んでいなかった10月だったけれども、11月に入るとやっと周囲の紅葉も目に留まるような状況になって来た。今秋初めての紅葉スケッチは、先ずは標高の高い所から描こうと言うことで野辺山高原に出かけた。
 開拓記念碑の建つ付近は見渡す限り牧草地や野菜畑が広がり、雄大ではあるが “殺風景” な場所でもある。しかし、左右に広がるカラマツ林、草地に点在するススキや雑草など は秋の絵要素となる。何より、晴天の下ほぼ全景を見渡せる八ヶ岳連峰は雄大そのものである。

B 秋色の野辺山高原a.JPG
       <同場所の写真>B DSC06330.JPG
  今回私としては、下記の留意点で描いてみた。

・主題は、中景に広がるカラマツ林
・副題1は、八ヶ岳中央部(赤岳付近)の峰
・副題2は、左手前のススキ

 はっきりとした形のある絵要素が無い景色なので “構図面・タッチ・色彩” それぞれにおいて 「メリハリをどうつけるか?」 が大変難しい題材だと感じた。なお、私はスケッチに通常「ホワイトワトソン紙/並目」 を使っているが、今回は白い部分をランダムに残すようなタッチを強調したいと考えて 「ウォーターフォード紙/荒目」 を使用した。

水彩画-256 『町総合文化祭 出展』

 今年も 「富士見町総合文化祭」 が開催されます(下記次第)。

 期間: 11月2日(土) ~ 4日(月) の3日間
 会場: 富士見町コミュニティプラザ(図書館・公民館) 2階

 我々 “富士見美術会” としては 「実習室」 を借り受けて、会員皆さんの作品を展示します。ご都合がつきましたら、是非覗いていただきたいと思います。

 ということで今日は、私自身がこの文化祭へ出展する予定の作品を一点掲載します。


画題 『いつか通った道』 富士見町立沢、 サイズ:P10

 例年、秋真っ盛りの展示会なので、やはり題材は “秋” にしたい。
 しかし今年の秋は、いつまでも暖かいので周囲の紅葉も進行が遅く、適当なモチーフを探すのがなかなか難しい。そこで、過去の題材を紐解きながら何とか一点描き上げたという次第。

B いつか通った道(P10).JPG
       <同場所の写真>B DSC09653.JPG
B DSC09657.JPG
 私の息子たちが小学校時代に通った通学路の風景。秋が深まると、道路沿いの林が秋色に染まる美しい場所だ。
 
 実は4年前にこのテーマで一枚習作を描いたことがあった。しかし自分でも納得できる仕上がりにならなかったので、以降そのまま放置していた経緯がある。そのことを思い出して、少し時間を掛けて再度描き直してみた。

工夫した点は、以下通り。

・紅葉の色合いを “派手にし過ぎない”
・針葉樹や広葉樹の枝葉をタッチで描き分ける
・光と影を意識する
・通学(帰宅)時の小学生をデッサン風に入れる

 私が水彩画を始めて8年以上経つけれども、正直なところ未だに 「紅葉は苦手」。画面全体としての “色彩の調和、バランス、メリハリの付け方” などが大変難しいと感じている。

水彩画-255 『清秋のスケッチ(3)/秋の高原レストラン』

 10月前半は比較的安定した天気が続いたが、中旬以降は台風や秋雨前線の影響で雨天が多くなった。

 第3週のスケッチ会の日は、生憎今にも降りだしそうな曇天。遠くの山は全く見通せず、時期的にはもはや黄金色の田園も殆ど期待出来ない。
 
今日は、そんな悪条件下で描いたスケッチを1点掲載する。


画題 『秋の高原レストラン』 北杜市高根町清里、 サイズ:A4

 この夏にも一度スケッチしたことのある 「清里/牧場通り」 に出かけた。いつ雨が降って来るか分からない怪しい空の下、最悪直ぐ車に逃げられる場所を優先したからである。

 前回は、道路沿いに並んだ2軒のレストランを左右に配置するような構図で描いたので、今回は右側のレストランに焦点を合わせることにした。
B 秋の牧場レストラン.JPG
       <同場所の写真>B DSC06279.JPG
 デッサンが終わり彩色作業をしている最中で、懸念した通りパラパラと雨が降り始めたため、慌てて道具を片付けて車に避難するというドタバタ劇となった。彩色仕上げは、帰宅してからアトリエで行った。

 留意した点は、以下の通り。

① 屋根、壁、窓の中 など全般的に暗い色調の建物を、絵としてどうメリハリ付けるか?
② 奥の暗い林について、“うるさく無く かつ そこそこ存在感を出す” ためにどう描写するか?
③ 実際には紅葉が殆ど進んでいなかった林の、秋らしい雰囲気をだすために彩色をどうするか?

 前回同様に、建物の複雑な構造と周りの暗い林の彩色の面で、なかなか難しい題材だと実感したスケッチだった。

 

水彩画-254 『清秋のスケッチ(2)/稲刈り納めの里山』

<台風19号>

 台風19号の雨は凄かったです。12日は丸一日強い雨が降り続きました。
 富士見町にも史上初の 「大雨特別警報」 が発令され 「避難指示」 も出された地域がありましたが、結果として身近なところでは大きな被害は無く、無事翌朝を迎えることが出来ました。

 県内では 「千曲川」 の大規模氾濫があり、東日本の広域に渡って洪水・浸水・土砂崩れなどの甚大な被害が出ていることを知り、驚きとともに言葉も出ない程切ない気持ちです。

 中央本線は上野原付近で土砂崩れがあり、10月末まで 「あずさ」 は長期運休見込み、さらに中央道も同様の被害で当面不通 ということで、甲信地方と首都圏の間の交通は遮断された状況です。
 洪水・浸水被害を受けた地域の方々のご苦労に比べれば、長距離交通の不便などは我慢の範疇かも知れませんが、“大動脈が絶たれる“ ということは、企業や現役世代の方々にとって仕事への影響が避けられない重大事だと思います。
一日も早く復旧されるよう願っております。

―――― ◇ ―――― ◇ ――――

 さて、台風が来る2日ほど前のスケッチ会当日は “清秋” の言葉通り気持ちの良い秋晴れだった。

今回は稲刈り最終盤の田園で描いた1点を掲載したい。

画題 『稲刈り納めの里山』 北杜市高根町村山、 サイズ:A4

 絵の題材としてはこの時期、紅葉にはまだ早く、一方で田園の稲は殆ど刈り入れが進んでいるという意味で丁度 ”端境期”。「まだ黄色く残っているところも有るのではないか?」 という期待を持って、高根町南部のエリアに出向いてみた。
 行ってみると、全体の20%くらいはまだ稲刈りがされず残っている状況だった。それで、遠景に南アルプス、中景に農家集落と林、近景には田んぼ という典型的な構図で描くことになった。

B 稲刈り納めの里山a.JPG
       <同場所の写真>B DSC06268.JPG

工夫した点としては...

① 刈り取られてしまった田のエリアを手前に余り広く取りたくなかったので、わざわざ道路の反対側の畦道にポイントを移した。こうすることで、目の前には刈り入れ前の稲穂をしっかり入れることが出来る。
② 西側に連なる南アルプスは、秋の午後にはいつも逆光になりシルエット状になってしまう。それを逆手にとって、稜線だけを強調し山際の空が抜ける感じにし、さらに裾野をボカスことで中景との距離感を出すようにした。

水彩画-253 『清秋のスケッチ(1)/コスモスの咲く田園』

 10月に入り、爽快に晴れた天気(=「清秋」)が多くなっている。
 例年に比べれば気温も高めで、まだ本格的な紅葉にはしばらく時間がかかりそうな気配である。

 今回は、稲刈りが終盤の里山エリアで描いた一点を掲載する。


画題 『コスモスの咲く田園』 北杜市高根町蔵原、 サイズ:A4

 この日はたまたま上空が曇りがちで、午後遅い時間から小雨になるとの予報もあった状況。それでも何とか外で描けそうな感じだったので、高根町の南部に広がる田園地帯に出かけた。

 案の状、北側に広がる八ケ岳は雲に隠れて殆ど見えない。まあ、ここから八ヶ岳を入れた構図では以前にも何度か描いているので、逆に東南方向(茅ケ岳が見える)の田園風景を描こうということになった。但し、その中でも 「何を主題に描くのか?」 はメンバーに依って別れるのはいつもの事である。

 私は、手前の道路沿いに密集して咲く コスモスを主題 にして奥の里山風景を描いてみることにした。「田んぼ・民家・遠景の山」 という絵要素は他の何処でもある材料であり、今日の風景の中ではやはり 「コスモス」 がポイントだと感じたからである。

B コスモスの咲く田園.JPG
       <同場所の写真>0 DSC06248C1.JPG

<工夫した点>
・近景:斜めに走るコスモス群生の構図(実際よりも遠近感を強調)
・中景:うねる様に連なる田畑の構図
・中景:遠景(山)と分離するため、林やススキのやや細かな描き込み



【余 談/台風襲来】
 週末に 「猛烈な台風(19号)」 がやってくる。関東甲信地方は明日12日(土)がピークとのこと。

 周囲が高い山に囲まれて、比較的台風被害は少ない地域ではあるが、丁度一年前の台風24号の時には我が町でも倒木等が多発して “丸一日停電” した。他人事ではない。
 昨日から夫婦で家の周りを点検し、気になるものを片付け、緊急用備品などを再チェックしたり と、 一応やるべきことはやってはいるが...。
 無事通過してくれることを祈るばかりです。

アトリエ随窓-20 『消費税狂騒曲』

 10月1日から消費税率がアップされた。DSC03640 (1).JPG 
 
 9月に入った頃からTVのニュース番組やワイドショーなどで特集テーマが繰り返し取り上げられるようになり、否応なしに国中の関心が高まった感じだ。
 昨年までは 「消費税アップの必要性・功罪」 といった “そもそも論” の報道が多かったように思うが、政府が再々延期はしないと方針決定して以来、実施時期が近付くに従って話題の中心はむしろ “軽減税率の各論” に移って来た。

 「一般食料品・飲料や新聞が軽減税率対象となる」
「キャッシュレス支払いによってポイント還元がある」

という、大原則については国民の多くが早い段階で理解していたとは思うが、9月後半からはもっと具体的で細かな区分の問題や還元のしくみなどが、話題の中心になって来たように思う。

 「同じ商品でも、イートイン10%、テイクアウト8%」
 「同じ商品でも、どのお店で買うかによってポイント還元額が異なる」

 この辺りまでの報道は 「なるほど」 という感じで聞いてはいたが、期日が迫って来てからは各TV局が一斉に “意図的に細かく複雑なケースを作って” まるでクイズ番組のように “正解はこうです” といった内容に変化した。
 さらに切り替え直前直後には 「9月30日の夜中から10月1日朝にまたがって買う(利用する)とどうなるか?」「実際、スタッフが並んで試してみました」 といった内容になると “もはや、どうでもいいです” と閉口してしまった。

 
一方、消費者の行動面では当然 「直前まとめ買い」 が話題に。

 税率アップとは言っても2%のことなので、常識的に考えれば 「購買額が万円単位でないと、わざわざ混雑しているレジに並ばなくても....」 と思うのだが、世間では昔のオイルショック時を彷彿とさせるような “トイレットペーパーまとめ買い” 現象もあったとか...。
 システム更新、価格表示入れ替え、従業員教育、在庫調整 などお店側の対応もさぞ大変だったことだろう。

そういう意味で、日本中が 『消費税狂騒曲』 に見舞われた一週間だったように思う。

------ ◇ ------ ◇ ------

 さて、今回の消費税アップに関して “私が思うこと” を少し付け加えたい。

1.軽減税率について

 既に広く知られていることだが、世界の百数十か国が導入している消費税の税率は、その殆どが日本より高い。10%は低い方から数えて10番目くらいである。高いのは欧州諸国で、概ね平均20%程度。特に北欧諸国は約25%という高税率。但し、こうした高い税率の国の殆どにおいて、食料品・日用品・水道・エネルギーインフラ・交通費・医療費・教育費 などを中心に軽減税率が導入されている。

 ところが大きく違うのが、この軽減税率の比率が日本と大きく異なり 「ゼロ または 半分」 というのが殆ど。そもそも軽減税率対象品の区分は大変複雑で、導入以降も都度対象品の見直しなどメンテナンスが厄介な制度だと言われている。お役所や業界のそうした精力(労力や費用)をかけてまで軽減税率を導入するメリットが 「たったの2%」 しかないというのは如何なものか? 所謂 「酷く割に合わない/非効率な制度」 と思えて仕方ない。

 政府としては “少なくとも今後10年間は再増税をしない” と公言しているようだが、財源を振り向けるべき福祉政策としては 「幼児教育・保育費無償化」 だけではない筈。“将来、再度の税率アップを見据えて今回敢えて複雑な制度導入を選択した というのが実情では?” と思えて仕方ない。国民の大半は消費税の必要性を理解しているはずなので、むしろそうした将来の方向性を公にして議論をきちっとして行くことが重要では無いだろうか?

 さらに個人的意見を言えば 「本人居住用住宅の新築・購入」 は何とかならないものだろうか?
例えば3000万円の持ち家一軒建てるのに、若い人が必死で資金を溜め、長期ローンを組んでやっとの思いで決心しているのに、見積書の最後に当たり前に消費税300万円も上乗せされるのは何とも切ない話だ。ローン対象者の所得税減税(10年間)は勿論ありがたい話ではあるが、スタート時の税金負担が余りにも大きすぎると思うのは私だけではないだろう


2.ポイント還元について

 日本が遅れている “キャッシュレス化” を推し進めるために、お役所が今回の消費税増税に便乗した という風に私は思っている。キャッシュレス社会が悪いとは思わないけれどもメリットもデメリットもある話なので、あくまで “個人の選択の自由” を保証すべき問題だと思う ⇒ 現金の人が著しく不利益となるような社会のしくみは良くない。

 世間では 「この際ガラケーからスマホに切り替えてスマホ教室に通った」 というお年寄りも多いと聞く。ポイント還元は取り敢えず来年6月までの8か月間限定の特例なのだが、一度使い慣れれば確かに便利だと感じる人も多いだろうから、こうした “にわかスマホユーザー” もある程度キャッシュレス化に定着していく可能性はある。但し利便性の裏返しとして、様々な “リスク” もあるので、利用者はそうしたことも十分理解して “メンテナンス” をして行く必要があるだろう。そしてそれは言うまでも無く “自己責任” ということになる。
ちなみにスマホ(iPhone)歴12年の私ではあるが意外と保守的な面もあって、未だ “スマホ決済”は利用していない。
 

 10月1日移行後数日で、巷の 『消費税狂騒曲』 は取り敢えずひと段落という感じ。
“本当に欲しいもの、今必要なものを如何に安く購入するか“ という 「普通の消費者行動」 に戻るのが何よりである。


水彩画-252 『初秋のスケッチ(3)/稲穂稔る里山2019』

 台風・秋雨の合間を縫うように訪れる晴天の日は、手のひらを返したような “スッキリとした秋空” になる。
 9月後半のスケッチの日は、そうした申し分ないコンディションの中で、黄金色に染まった田園風景を描くことが出来た。

 今回は、2週続けて北杜市大泉町の田園地帯で描いたスケッチ2点を掲載したい。



画題 『稲穂稔る里山-Ⅰ 2019』 北杜市大泉町西井出、 サイズ:A4

 南北に長い大泉町の中でも長坂町に近い南端エリアに 「金田一春彦図書館」 という公立の図書館がある。近年この辺りは住宅地・商業地として結構開けて来てはいるが、未だ水田も多く残っており眺望の良い田園地帯でもある。

 図書館から北方向に少々歩いて行くと、正面に八ヶ岳が良く見えるエリアに出る。近景としては、一面に黄金色の田が広がっている。そういう意味で、秋の里山の条件は一応整ってはいる。

 但し、下から上を見上げる地形なので、棚田が連なる構図は期待できない。また、田の畦が水平方向に走っているため、正面から見ると縦の変化に乏しい題材である。

そんなメリット、デメリットを感じながら構図を選んで描いてみた。

B 稲穂稔る里山(図書館付近).JPG
       <同場所の写真>B DSC06201.JPG
工夫した点は、以下の3点

・立ち位置を縦方向に延びる畦際にし、斜めに稲穂列の線を入れることで、手前から中断までの奥行き感を強調する
・たわわに実る稲穂(手前側のみ)のリアルな描き込み
・中景として、山裾の民家と林の彩色をやや強目にし、遠景(山)と近景(田園)を分離する


画題 『稲穂稔る里山-Ⅱ 2019』 北杜市大泉町西井出、 サイズ:A4

 9月最後の週も、上記と同じエリアで描くことになった。大泉郵便局から農道を真っ直ぐ北方向へ歩いて行くと、南西方向に階段状に黄金色の田が広がっており、中景には民家群、遠景には南アルプス という絵要素が揃っている。農道を挟んだ空き地に腰を下ろし、こうした風景を描いてみた。

B 稲穂稔る里山2(郵便局上).JPG
       <同場所の写真>B DSC06220C1.JPG
 
 難しいと感じたのは、以下の3点。
 ・斜めから見た畦の角度の取り方(デッサン)
 ・空とアルプスの高さ方向の空間比率(デッサン)
 ・アルプス上部に掛かる雲の表現(彩色)


 この時期の稲刈りは、天気さえよければ一気に作業が進む。従って、10月に入ると “黄金色” の田園風景はもう期待できない。田植え前の “水田(代掻き)“ の風景と同様に 「旬の短い」 題材である。


 

水彩画-251 『初秋のスケッチ(2)2019』

 厳しかった残暑も治まり、朝夕は肌寒く感じる気候となって来た。
 この時期になると、日中陽の下でスケッチ作業をしていても余り暑さを感じず、爽やかな風が気持ち良い。

今回は、今月前半に描いたスケッチ2点を掲載したい。


1.画題 『英国風ペンション』 北杜市清里、 サイズ:A4

 9月第一週の日は、曇天で遠景の山は見えない天気。そこで、清里の 「萌木の村」 付近で題材を探すことになった。
 国道141号線沿いに在るイタリアンレストランの裏手に、立派な英国風ペンションがあったのでここを描いて見ることになった。
 
 建物は英国でよく見かける 「チューダー様式」。入口から奥へ展開されている庭園もイギリス風で、私が現地で生活していた際に良く訪れた古い施設(ナショナルトラスト関連など)を彷彿とさせる感じだった。
B 英国風ペンション.JPG
       <同場所の写真>B DSC06166.JPG
 斜めの位置から建物全体を入れるのも悪くないが、庭園入口のアーチから奥に広がるガーデン風景も悪くないと思い、建物は右2/3に留めややアップの画角にして描いて見た。

 入り組んだ構造の建物のデッサンと、何種類もの草木が植えられている緑の彩色が難しかった。


2.画題 『初秋の野辺山』 野辺山高原、 サイズ:A4

 翌週は割合良い天気だったので、初秋の定番である 「野辺山高原の野菜畑」 に出かけた。

 以前は国道141号線の南側で描くことが多かったが、今回は北側のエリアになった。

 八ヶ岳上部にはやや暑い雲がかかっていたが、青く澄んだ上空と巻雲は秋の気配を感じさせる。

 とにかく視界を遮るものが無く、足元から八ヶ岳裾野まで広大な野菜畑(目の前はサニーレタス)が広がっている。八ヶ岳の左側は地平線と空がダイレクトに接しており、圧倒的な空間の広がりを感じさせてくれる。
 そうした感覚を表現するために、私は八ヶ岳を中央にせず、左サイド1/3の空を明けるような構図とした。
B 初秋の野辺山.JPG
       <同場所の写真>B DSC06184 .JPG
 後の反省会で見たところ、先生の選んだアングルは右側にちょっとだけ八ヶ岳の裾野を入れる程度にして、全体の80%ほどに地平線を入れる構図だった。八ヶ岳を中央に据えるという、言わば “定番の構図” で描いたメンバーもいたけれども、この場面ではやはり地平線をたっぷり入れる方が良いように感じた。

 スケッチというものは、その場に立ってみた状況で “何を描くか?” を決め、それに沿った構図や画角を選択するという作業だと思っている。所謂 「定石」 とか 「セオリー」 とか言うものも無い訳ではないが、各論ではその都度変化するということも実感している昨今である。

水彩画-250 『秋の信金ロビー展』&『千葉へ/停電災害』

 富士見美術会恒例の 『秋の信金ロビー展』 が始まりました(下記)。

 ・期間: 9月9日(月) ~ 10月18日(金) ※銀行営業日のみ/9:00~15:00
 ・会場: 諏訪信金 富士見東支店 ロビー

B IMG_7909.JPGB IMG_7907.JPG
今回、私が出展した作品を一点掲載します。


画題 『初秋の空と大地』 野辺山高原、 サイズ:P8

 野辺山高原の野菜畑エリアは、晩夏から初秋にかけて例年スケッチに行く定番の一つである。
 今年は天候の関係でまだ行っていないけれども、昨年のこの時期に描いたスケッチを元に8号サイズで描いてみた。

B 初秋の空と大地.JPG
       <一年前のスケッチ>B 初秋の野辺山.JPG
       <同場所の写真>B IMG_6675.JPGB IMG_6678.JPG
 留意した点は、以下の通り

① 秋雨前線の影響でどんよりとした “空の表情” の描写
② シルエット状に沈んだ感じの八ヶ岳の描写
③ 手前全面に広がるキャベツ畑の遠近感を強調する描写
④ 収穫作業に関わる点景 「トラクター、トラック、人 など」 による臨場感の演出
⑤ 地平線(八ヶ岳の裾野エリア含む)付近の距離感の描写(舎屋やハウス、林など)


 以前にもこれに近いモチーフで何度か描いたことがあるが、現時点での色んな想いを集大成して盛り込んだつもりである。


【余談:千葉へ/停電災害】

 今週急遽、千葉市まで車で往復することになった。
 というのは他でもない、台風15号の被害で千葉市内に住む息子家族の地域が “全停電” になってしまい、救援に出かけたというわけだ。

 家自体の被害は無かったものの、9日(月)早朝から “停電” となり、残暑厳しい中で自宅内は 「エアコンなし」「湯沸かし・煮炊き不可」「風呂湧かせず」 という事態。水道、ガソリン、スマホ充電、食料買い出しなどは何とかなっていたようだが、停電は翌10日(火)夜になっても復旧せず、生後7か月の子とペット犬を抱えての生活は限界に近づいていた。

 それで、仕事のある息子の残留は止む無しとしても、せめて家族は長野へ避難したらどうかという提案をして、11日(水)早朝に車で千葉へ迎えに行った。ところが、現地へ到着した頃には幸運にも “停電が復旧” したため、あえて ”疎開” の必要なし。持参した食料品など救援物資を渡して、そのまま “トンボ帰り” したという次第。

 その後、千葉県の被害関連ニュースに関心を持って頻繁にチェックしてはいるが、千葉市内の被害はまだ軽い方で南房総エリアはかなり深刻な状況だということを認識した。東京都や神奈川県で同様の被害が出た場合はもっと大きく報道されるはずだが、今回のように千葉県の地方エリアが中心の災害の場合には、その実態がナカナカ明らかにされないということも実感した。

 今朝(13日)の段階で、未だ房総中・南部を中心に19万軒余が停電中とのこと。
 被災地域が一刻も早く復旧されますように心より願っております。

水彩画-249 『初秋のスケッチ2019(1)/初秋の田園』

 意外と暑かった夏も終わって、早くも9月。
 定例スケッチ会も、程よい気候の下で出来る季節に成って来た。但し、秋雨前線の影響で初秋は結構曇天や降雨も多いので、場所探しはやはり楽ではない。

 今回は久々に “田園風景” のスケッチとなった。


画題 『初秋の田園』 北杜市高根町東井出、 サイズ:A4

 昨年の晩秋に2度ほど描きに来たエリア。
 典型的な里山風景(田園 & 古い民家 & 山)の条件が揃っているため、毎年3~4回は題材に選んでいる場所である。

 8月下旬としては、さすがに田んぼは未だ青さが残り “黄金色” という訳には行かない。しかし、成育の早い田では、部分的に黄色くなっている感じである。

これまで何度か描いたことのある東南方向を避け、やや高い土手から東北東方向を臨むアングルで描いて見た。
B 初秋の田園2019.JPG
       <同場所の写真>B 0 DSC06084.JPG

留意した点は以下の通り

・青っぽい田の色を実際よりも黄色く脚色
・畦のデッサン(左から右へ下がっていく棚田、手前から奥へ連なる感じ)
・裏山と遠方の山の色差
・一軒一軒異なる農家集落のデッサン

 描いて見て気がついたことだが 「少しずつではあるが、2,3年前に比べて古い民家が新しい住宅に建て替えられている」 ということである。いわゆる築100年前後の古民家が、世代交代や空き家問題などによって維持できなくなり、解体され近代的な住宅に立て直しされているということなのだろう。

 絵を描く者としては大変残念なことではあるが、“これも時代の趨勢” と受け入れざるを得ないという現実である。

水彩画-248 『盛夏のスケッチ2019(6)/尾白川渓谷』

 お盆期間中はお休みしたスケッチ会だが、翌週から再開した。

 この日は朝から雨模様の空ではあったが、午後になると急に晴れ間が出て暑くなって来た。この天候では、涼しい渓流スケッチがよかろうということで 「尾白川渓谷」 に出かけた。

画題 『尾白川渓谷』 北杜市白州町 尾白川渓谷、 サイズ:A4

 国道20号沿いの 「白州道の駅」 のある交差点から西へ入り、10分ほど車を走らせると尾白川渓谷入口の大駐車場に着く。例年5月連休やお盆休みなどの観光ピークシーズンは、大変な賑わいになる場所だ。しかし、今回のようにお盆も過ぎた平日となると、さすがに駐車場が満車に成ったり入口が渋滞したりということは無く、難なく駐車することが出来た。

 スケッチ道具をかついでキャンプ場方向へ歩いて行き、適当なところから左手の渓流へ降りる。しばし川沿いを散策して、視界の開けた川原に目星をつけて腰を下ろした。
B 尾白川渓谷.JPG
       <同場所の写真>B DSC06050C1.JPG
 こうした渓流のスケッチの留意点は概ね以下の通り

① 大きく捉えた観点での川の流れの表現
② 浅瀬や飛沫など白く見える部分の表現
③ 樹影の反映や川底の石による水の色の変化や陰影の表現
④ 周囲を覆う緑の林/枝葉の表現

 渓流を描くのであるから ①②③ は当たり前と言えばそれまでのことだが、分かっていてもなかなか思うように描けないものである。特に ③ はかなりレベルが高い。
 さらに意外なのは ④ の難しさである。鬱蒼と茂った感じ、川面に被さるような感じ、光が当たって明るくなっている部分と、影になって暗くなっている部分 などの描き分けが必要で、さらに主題の 
「川の流れ」 よりも目立ってはいけない という条件が求められる。

 前回記事の “滝のスケッチ” と共通する課題であるが、「何とかまとめた」 という実感である。

水彩画-247 『盛夏のスケッチ2019(5)/吐竜の滝』&『デッキの夏休み』

 8月第2週は暑い日が続いた。
少しでも涼しい所で描きたいということで、夏の定番の一つである 「吐竜の滝」 へ出かけた。

 八ケ岳大橋から林道を下ったところにある駐車場に車を停め、鬱蒼とした森の道を数分歩いて行くと川俣川渓流に出る。その先の滝から流れて来るミストの影響で、この辺りからいつも急に涼しくなる。

 家族連れ、若いグループなどの避暑客が沢山訪れてはいるが、キャンプ場を併設しているような他の渓流スポットに比べると、BBQなどするスペースもないため平均滞在時間は少ない感じだ。


画題 『吐竜の滝2019』 北杜市大泉町、 サイズ:A4

 「吐竜の滝」 については水量がさほどではないが、女性的で優麗な景観と渓流の水の美しさが特徴的だ。
私自身は滝の直ぐ手前から捉えて描くのが久々なので、スケッチの機運はちょっと盛り上がった。

B 吐竜の滝2019.JPG
       <同場所の写真>B DSC06017.JPG
画面全体を同じような調子で描写すると返って煩わしくなるので、描き込むのは滝の周辺のみに絞ることにした。

 私のこれまでの経験上、“滝や渓流の水” は “難度” が最も高い題材の一つ だと思っている。
基本的には 水の白い部分を塗り残しながら周囲の岩の暗い部分や緑の葉などを描く ことになる。最後に、滝の細い流れや飛沫など細かな部分を修正液や不透明白色絵具などを使って補うようにしている。

数年前のスケッチでは全く絵に成らなかった題材だが 「短時間でどうまとめるか?」 という点で、少しは要領をつかめてきたように感じている。

―――――― ◇ ―――――― ◇ ――――――

【余談:デッキで夏休み】

 最近近くの大工さんにお願いして、茶の間の庭側に 「ウッドデッキ」 を拡張してもらった。
 これまでは洗濯物や布団を干す程度の狭いデッキでしかなかったのだが、テーブルや椅子を置けるスペースに広げて屋根もつけてもらった。着工してから断続的工事で約6週間を要したが、8月上旬に何とか完成した。
B IMG_7881.JPGB IMG_7882.JPGB IMG_7883R.JPG
 たまたま、お盆に息子夫婦&家族ご一行(数名)が来たので、早速ここでBBQを実施。さすがに陽の指す日中は暑いけれども、夕方はぐっと涼しくなって丁度良い感じで楽しめた。B IMG_7889R.jpg
夏は屋外で食事会をやると、気分爽快だということを実感した夏休みでした。

水彩画-246 『盛夏のスケッチ2019(4)/牧場通りのレストラン』

 8月に入って最初のスケッチ会は、梅雨明け直後のタイミングだった。ところが、午後の通り雨に降られて場所探しにしばし時間を要した。
 最終的に落ち着いたのは、清里/丘の公園近くの 「牧場通り」。この道路沿いには、乗馬できるポニー牧場を始め、レストラン、オーベルジュ、クラフトショップなど、観光客向け施設が多く集まっていて夏場は結構賑やかな場所である。


画題 『牧場通りのレストラン』 北杜市清里、 サイズ:A4

 形の良いカフェ・レストランが2軒隣接している場所に見当をつける。

※ 後から調べたところ、左側が 「アルチザン パレ ド オール」 というチョコレート菓子主体のカフェ、右側が 「コート・ドゥ・ヴェール」 という肉料理主体のレストラン のようだ。

 避暑地のピークシーズンとあってか、ひっきりなしに県外車とお客が出入りしていた。
建物をどちらかに絞るという選択もあるだろうが、避暑地のお店の雰囲気を出すためには、左側のカフェの大半を入れ右側のレストランの入り口付近を半分ほど入れる構図が良かろうということになった。
B 牧場通りのレストランa.JPG
       <同場所の写真>B DSC05959.JPG
スケッチに際しての留意点
① 入り組んだ構造の左側カフェのデッサン
② リゾートらしさを演出する点景(看板類、車、避暑客)
③ 背景の暗い林の描き方

 描いて見て特に難しかったのは ③の “林の彩色” である。あくまで “背景” なので、詳細表現や目立ち過ぎる色使いなどを避けた方が良いのは前提である。しかし、濃密に茂っているイメージや逆光で暗くなっている感じを何となく醸し出す必要があるわけだ。結果的に、始めに全体を水筆でしっかりウェットにしてから、数種類の色を垂らして滲ませるという ウェット・イン・ウェット で描いて見た。“主題である建物などとの主張を崩さない程度” という加減が大事だと思った。


【余談:お盆のルーティーン】

 昨年のお盆も暑かったが、今年も梅雨明け以降の暑さは結構厳しい。まあ “お盆” は、涼しいとか寒いとかよりも暑いくらいの方が “らしくて” 良いのかも知れないけれど....。

 我々夫婦のお盆のルーティーンは、概ね以下の通り

・お墓詣り (今年は他にもやるべきことが色々あったので、かなり早めに済ませた)
・精霊馬(しょうりょうま) の製作
・お花・お供え
・迎え火、送り火

 最近は、カミサンがせっせとやっている 「キッチンガーデン」 の恵み(作物) を出来るだけ有効利用することにしている。
 精霊馬については、たまたまキュウリが無かったのでズッキーニで代用し、他には ナス、人参、モロッコインゲン、獅子唐 なども混ぜて可愛いく製作した。B DSC06031C1.JPG
 お花も庭に咲いていた野生の花で済ませ、迎え火・送り火も自宅向かいの林に転がっていた白樺の皮を拾ってきて利用。
IMG_7878R.JPG
  田舎暮らし故に出来る “省資源/自前・代用品方式” にて、この数年間過ごしているお盆です。

水彩画-245 『盛夏のスケッチ2019(3)/日野春駅舎』

 7月最後のスケッチ会は梅雨明け直前の曇天下、山の風景は早々に対象から外し、前々回の富士見駅に続いて 「日野春駅舎」 を描くことになった。


画題 『盛夏の日野春駅舎』 北杜市長坂町、 サイズ:A4

 JR日野春駅も富士見駅と同様、駅舎が古い木造でレトロなイメージを残している。
 一日の利用者が数百人程度の無人駅ということではあるが、近くに昆虫マニアの間では “聖地” とも言われている有名な 「オオムラサキセンター」 があり、丁度夏休みに入って蝶の孵化シーズンということも重なってか、乗降客で結構賑わっているように感じた。

 駅前を暫く移動しながら、駅のやや右サイドから眺めるアングルで描くことになった。
B 盛夏の日野春駅.JPG
       <同場所の写真>B DSC05911.JPG
 駅舎以外にも 「入口の左サイドに在る真っ赤な郵便ポスト、電話ボックス、一本の電柱、複数ののぼり旗、タクシー、自販機 など」 細かな絵要素が多い絵である。さらに人影も何人か入れて夏の観光シーズンの雰囲気を出すよう試みた。


  JR中央本線の駅舎は、近年その殆どがコンクリート造りのモダンな姿に変わってしまっている。こういうレトロ感覚の駅舎は、近くにはもはやそう多くは残っていないが、機会を見つけてまた描いて見たい。

水彩画-244 『盛夏のスケッチ2019(2)/雨のジャージー牧場』

今週初めにやっと梅雨が明けた。関東地方は途端に ”猛暑”。富士見町もこの数日最高気温30℃近くになっている。しかし、昨年に比べれば気温は低いはずで、それでも暑く感じるのは7月一か月間異常に涼しかったためなのだろう。

 さて、まだ梅雨明け前の7月中旬のスケッチ会は、初めから生憎の “雨”。
「どこで描こうか?」 と車の停められる場所を探して15分くらい彼方此方ウロウロする。

 久々に清泉寮附近へ行ってみたが、近年手前のレストハウスが大改修されて以来、大駐車場からの景観はすっかりダメになってしまっている。

 清泉寮から200mほど下った所に 「ジャージー牧場」 という施設がある。かの有名なジャージー牛を飼育していて、観光客に大人気のソフトクリームの原料となる生乳を生産しているらしい。

 この牧場の隣に適当な駐車スペースが見つかったので、そこへ車を停めて牧場風景を描くことになった。
 今回は、ここでのスケッチ2点を掲載する。


画題 『雨のジャージー牧場(1)』 北杜市清里、 サイズ:A4

 最初に描いたスケッチは、右側にメイン畜舎の半分を入れ、左側に丁度草を食んでいた数頭のジャージー牛を入れる構図にした。

B 雨のジャージー牧場2.JPG
       <同場所の写真>B DSC05874.JPG
 これはこれで自分として納得出来たスケッチだった。
 但し、描いて見ると中央奥の赤い屋根の施設がどうも気に入らない。角度の問題かもしれないが、形が良く見えないし、絵としてしっくりこない。

それで、後日もう一枚描いたのが次のスケッチ(2)。


画題 『雨のジャージー牧場(2)』 北杜市清里、 サイズ:A4

B 雨のジャージー牧場3.JPG
       <同場所の写真>B DSC05881.JPG
 スケッチ(2)は上記(1)よりも画角を広げ、右側にサイロ2棟を含む畜舎全体を入れて見た。この場合、もはや画面左には乳牛が入らなくなる。しかし、あまり絵に成らない中央奥の施設は小さめにできる一方で、右側に大きく入った畜舎の形が良く、牧場の雰囲気を良く表現できたと感じている。

なお2枚とも空の彩色具合に依って、曇天と降雨の雰囲気を表現するようにした。